「ごめんください、夜分遅くに。」
はい
「泊めてください」
お断りします。
泊めるわけねーだろ、、、0時前だぜ?お前今何してるんだよ、と聞いてみれば
「新橋にいる」なんて言ってやがる。
帰れるだろ。帰れよ。
◯リモクですか?
「帰れませんよ。僕んちどこだと思ってるんですか。」
まあそうだよな。
「とか言っといて女の子なら泊めるんでしょう」
泊めますね。私は手出しませんし。紳士だからね。
で、貴方は何かやらかしたんですね?
「泊めてくれないと話しません」
よかろう。私は腹が減ったから飲みに行こう。ただし俺は財布を置いていく。免許証だけ持っていこうかなぁ。
なんて言いながらスキップして駅まで迎えに行けば、おおよそ酔ってるとは思えないキリッとした表情のガルフィー奴。このたびは申し訳ありませんでした、とか言いながら頭を下げてくる。
気持ち悪すぎる。
裏があるんじゃないだろうか…
俺んちに…カメラでも仕掛けるつもりなんじゃないだろうか…
まあいいや。とりあえず焼肉食いにいこう。
はい。
ご馳走様です。
はい?
いや、奢ってくれるんじゃねえのか?
えっ、あっ、この人この歳になって年下に奢られるとか…
なんて言いながら俺だけ結構飲み食いして楽しく酒飲んでまた壊れ始めて吉祥寺の街を汚していくガルフィー奴を見て笑った。サイテーだ。俺は何かで揉めたらヤツを脅せるレベルの写真を多数所持している。
泊めなければよかったと本当に後悔したのは、じゃ寝るか、おやすみといって電気を消した直後に4メートル先から断続的、極めて断続的それも一晩中発せられる地鳴りのような音が部屋全体に響き渡った時からだった。
男二人集まれば恋バナ咲いて、嫌な気分たっぷり味わせて、俺も俺でモテないおっさんのサガを散々イジられて平和に終わろうかと思っていたのに。
仕方ないから朝割と早めに叩き起こして中央線に乗ってコイツを連れていこうなんて思う場所はもう、あそこしかなかった。
ちなみに俺はこの時1,000円を借りた。まだ返してない。
こ、
これは!?!?!?
まだお天道様が頭のてっぺんまでたどりついてない時間の光線はまだ暴力性というか青さがあるというか。
なんというか俺はこの力を借りて辛味噌ラーメンを撮るなんて思ってもいなかった。
まずは辛くない方ズルっとやれば嗚呼…今回も最高だ。二日酔いではないものの、肌寒くなってきたこの時期にこのお汁は最高に効く。
辛いとこズルっとやれば嗚呼…やっぱり最高のバランス。何か一つの要素と、辛さ、香りという楽しみを置き換えている感覚はあるが。それでも俺はこれを愛しちゃったのよ。
チャーシューと共に口に運べばまた完璧なまでの充実感。
AJTMAZMSくぱぁ大!成!功!ピントが肉にあってるけどな。
ちゃーしゅー飯まで大堪能した。
サクッと完食フィニッシュムーブ深々と会釈して退店。
じゃ僕は井荻から歩いて帰るんで…じゃ。
と言いながらヤツは環八を逆に歩いていた。
指摘せず俺はゆっくりと吉祥寺まで歩いて帰った。そして帰宅して、眠った。静かな部屋で。