analog. 『ハーフアンドハーフ(カレーJAPAN・チキンな彼へ)350g』
いつまで経っても本題に入らない
自分のことばっかり話して肝心なことは何もない。
枕を使わないことについて言及しない
今更気付かされた私であった。
秋晴ればっかで乾燥しまくった関東平野。地面も空も乾いちまってまあお空がよく見える。ついでに宇宙へ熱も逃げちまってだ。すこしゃ足止めしてくれりゃいいものを、なんていうのもまたわがままで。夜は夜で澄んだ空気がひんやりと冷たくて気持ちがいい。酒も飲まず、夜を耽けることもなく湯に入り、歯ブラシを加えたままアパート前の道で身体を冷やすにはもってこいだ。ついでに住人とか猫とかハクビシンに遭う。
遊びすぎた翌日は早めに起きてデスクに向かっている。なんとか面白いことができないか、なんて思いながらデスクに向かっている。
枕を使わなくなってから、ある場面では肩が楽になった。が、依然として張っている感じがすごい。タオル敷いて自然な高さに、なんて思っているものの、寝相が悪いもんで朝起きたらタオルがなくなっていたりするからタチが悪い。
昔からずっと高めの枕を使っていたのだが、来客用に置いてあった薄い枕に切り替えたら少しよくなった。
集中力を途切れさせてくるのはいつだって何かしらの通知だ。俺は携帯電話をぶん投げてコンデジか、軽めの一眼でも買えば良かったのではないか。
仕方ないからと言って自転車を漕ぐのは何か自分に対する甘えみたいなものだろうか。4年前に買った時はまさかこんなに乗らない時期と乗る時期がはっきりするとも思わなかった。
すっかり汚れているのにもかかわらず、フレームなんか黒いままにしてるのはパクられなければいいなという思いだけで。本当は磨いてやらねばな、自分で各種メンテナンスできるようになりたいわ。今は許してくれよな。
そんなことを言いながらしっかりと体重を預けてペダルを踏み込んだ。何かこの力が今のうちだけであればいいのに、なんて思いながら。
待ち受けた先に何があるのか。俺は知っていたから。
こ、これは!?!?!?
晴れた日にはカレーが食いたくなる。本能のなせる技か。
それとも日光でカレーの黄色が落ちるからか。
んなことどうでもええわ、食いなはれ!十一でっせ!と言ってくるようなこのビジュアル。
パクッとやれば嗚呼…JAPAN美味すぎる…王道にして鬼才。鬼才にして王道。
どうしてこんなにも濃いブツを、バランス感覚を失わずに生成できるのか。
辛い方もパクつけば嗚呼…辛い。いい辛さだ。激辛とかそういう概念とは程遠いものではあれど、それがいい。
じんわりと汗をかいた。
サクッと完食軽く会釈して退店。
汗をかき、涼しくなった頭に風を当てながら自転車を漕いだ。
秋の空に恋しているような、そんな気分だったから。