らあめん大安 『チャーシューざる』
ネタバレ絶対にやめろ勢のダチョウ倶楽部感
勘弁してほしいとずっと思っていた。
そんな頃が僕にもありました。
言いたくて仕方ない。ネタバレあるある言いたい。ネタバレされたくない人のネタバレされたさ異常。
ネタバレ全く気にしない勢の俺。「答えを知ったところで俺の期待心をぶち壊すことはできない」という絶対的な自信。何がおきても絶対的な自分の機体を裏切ることはできない、と考えている人間として34年間の人生を過ごしてきた俺だもの。インターネットで「バキ道 ネタバレ」と検索することに全く嫌な気持ちがしないことから、その自信は揺るぎないことものだと思っていた。
だから、いちいちネタバレなんか気にして行きても仕方ない。そういう結論に居たり、俺は自分の想像力が勝ることをただただ期待して生きていくしかないと思っていたのだ。
大事なことなので2回言っておく。そんな頃が僕にもありました。
シン・エヴァだけはダメだった。ネタバレ絶対回避勢の気持ちをようやく理解できた。
こんなにも結論が読めないものはなかった。どうしたって我々は今までに腐るほど裏切られてきた。時を遡ること9年前の「Q」についても本当に劇場公開当日、桜坂劇場から出た俺は本当に怒りちらし、もう二度とエヴァなんか見ねえ、エヴァの台も打たねえ!と固く誓った過去がある。
それを覆してくれたのは、うちで散々「スカイウォーカーの夜明けなんか見ねえ」と駄々こねながらもテレビを付け、リモコンを手放すことなくレイア姫崩御の瞬間とハン・ソロの概念がカイロ・レンの目の前に現れた瞬間に声を出してワンワン泣いた辻村篤くんだった。
あれだけEP9はクソ!マンダロリアン最高!と言ってはばからない辻村くんが俺んちでわんわん泣きながら「シン・エヴァ公開日決まりましたよ」なんて言ってる姿を見て俺はなんかとても戸惑ったし、じゃあお前EP9を何回見たの、と聞いた俺にさらりと「10回は見ていない」と言い張った彼のおかげで俺はなんかその日に「Q」を見直す勇気が湧いたし、その朝に俺はまあもう9年も経ったし受け入れられるな、なんて思って色々と消化できたことは、ほんとに良かったと思っている。
これをネタバレと言われてしまうとどうなんだ、とも思うが、俺は言いたいのだ。新劇場版に後悔してきた大人たちほど、今回のブツを見てほしかったのだ。
というわけで、俺はこの日までにすでに2回シン・エヴァを見ていた。
お休みが取れない、というかこの懲役厳しすぎるよぉわああんメジマル食べたいよわーんと泣いているおじさんを中央線車両内でピックアップして立川まで向かったのは劇場公開から10日経ったあの日。
我々を乗せた中央線は立川を超えて八王子まで走ってしまった。駅についた我々の視界に入ってきたのはとんでもない開店待ちの並び。
彼からこの日最悪のネタバレをもらった。
「もうチャーシューないかも」。
こんなにも絶望する一言はなかったのにも関わらず、矢張り俺の日頃の行いの良さが功を奏したのか、我々はギリギリでチャーシューの食券を手に入れられたのであった。
こ、
こ、これは!?!?!?
わざわざ八王子まで来て何を食わされるのか俺は。彼はこの日2つ目のネタバレをぶち込んできた。
「満来系にして現在唯一の自家製麺だ」と。
これは重要な情報提供だった。なぜならうかつに大盛りのボタンを押すことを避けるべきだからである。
目の前に現れた宝石箱はとてつもない輝きを放つ。
まずは麺をズルっとやれば…これは期待できる。
チャーシューを退かして麺をドボンしズルっとやれば嗚呼…言葉を失う。全ての物語を総括するような最高の仕上がり。
これは満来系の頂点ではないか!?
しかもチャーシューうんめえええ!!!!全部とろっとしっかり煮込まれたブツは低温調理チャーシューには出せない溶け込み。
俺たちは肉体を失い豚の海に還るしかなかった。
チャーシューに胡椒ぶっかけつつ食えば矢張りここまでのブツとは想像できなかったぜ。
横の霞が関懲役おじさんはスープ割をせずに完飲制倶楽部ブチカマしたが、俺はしっかりといただいて最高にポカポカしてやった。
ウマすぎか。
サクッと完食当然 #完飲制倶楽部 ゴクゴクブチカマしフィニッシュムーブ軽く会釈して退店。
立川で途中下車し、1席空けて着席した我々は、それぞれの時間を堪能した。
彼も満足してた。25年間の囚われた魂が開放されていく瞬間を垣間見たと思う。
今んとこ俺に結論について苦言を呈してきた人間ただ一人。
想いがある人間は絶対に見に行こうな。