ラーメン二郎 神田神保町店 『大ラーメン ニンニクアブラ 生玉子』
敗北を知りたい
とか言いながら万年敗者感を抱える心に茨を持つ少年として生きてきた私は、今更勝ち方なんて分かっておらず、表面的な、極めて表面的な勝利をモノにしつつ死んだように生きている、といつも思っている。
冒頭から長文で語るには訳があった。
数々のジレンマを抱え、迷いに迷いながら生きているのはこれ煩悩の仕業であり、業、業を背負いながら毎日こんな長文を書くことで自らの人生に何かスパイシーなことが起きないかと期待し続けているのである。
人生をやり直すにはどこからがいいか。
唐突にこんな問いが投げかけられて俺は即答した。
中学一年の入学から。
中1からやり直したい。
そんな曲あったな。
やりたいことといえばまず、
哲学の勉強と語学を真面目にやる
ギターとピアノを真面目にやる
といった「やる」以外に「遊戯王に手を出さない」などがある。
答えは明確であった。
「したい」ことってなかなか出来ないけど「やらない」の視点も大事だ。
そうすれば今頃はミュージシャンとして生計を立てているかフランス留学を経て大学で哲学の助手もしくは文壇に上がっていただろう。
変わらずラーメンは好きだろうな、たぶん。
でもこういった巡り合わせが再び出来るかといえばそれはまた別の話で。
今ある人生に関してはしっかりと「いい人生だな」と思っている。過ちもあったし、良いこともあった。今こうして、とんでもない麺量を目の前にする事自体も、良いことなのか過ちなのかわからない。
私にとっての御茶ノ水。私にとってまた新しい人生の大学。5限目の授業は「ラストロットの過ごし方」であった。
やっぱり聞こえてきた「ナーニヲボンヤリシテンダヨォッ!!」
授業開始の掛け声であった。ゴトリと音を立ててブツAZMS!
こ、
こ、
これは!?!?!?!?!?!?
ポンポン注ぎ込まれていく麺量に慄きながら見ていた…覗き込んでしまうものではなかった。
気分良い顔で振りかけられた雪を眺めていれば
まぁ、なんかまぁ、いけるべ、、、と自我も崩壊していった。
ヤサイを食らって…食うほど量はねえ…本日のキーワードは「ヤサイは麺の山を隠すもの」がここで証明されたわけである
天地返してズルっとやりゃもう最高だろ…ラストロットなのにガッツリ醤油の濃さが効いたこの一杯…もはや開店時と閉店時のブレなど無いに等しい。
ゆっくりじっくり天地返して食っていればまぁ減らねえ減らねえ。確実に腱鞘炎コースの麺量を一口ずつ天地返し、天使返しながら食いすすめていったが、忘れてはいけないのがこの豚だ。
「2枚だと思って侮るべからず。それはチャーシューではなく、塊である」
本日の準キーワードのお出ましだ。
ここまでたどり着くまで15分かかった…しかしながらちょうど良い感じの腹パン具合。瀕死モードに入ることなくここまでこれたことに俺は感謝したい。
「足りないって言われたらどうしようかと思った」
教授は最後に背筋の凍りつく発言をブチカマしてくれた。
大満足で完食フィニッシュムーブ年末のご予定伺いをして退店!
その日の夜は長かった。翌日の苦しみを高めていくような、そんな時間だった。「下高井戸!?」だけが救いだった。
年末は29日が最終営業日のようです。