俺はヘヴィメタル中退の男である。
早々に脱落したのは高校1年の時だ。
俺はストラトキャスターを買った。フェンダージャパンのメイプル指板。何かに出会う前に俺はまずエリック・クラプトンに出会っていた。
レスポールという選択肢は一切なかった。そしてメタルをやるようなソロイストタイプも汎用性がないと思って買わなかった。エリック・クラプトンに憧れていた時間はすぐに過ぎ、俺はジョン・フルシアンテとトム・モレロに惚れ、なぜ俺はローズ指板のストラトを買わなかったのかと嘆いた。
メタリカにハマりまくった高2の頃。俺はジューダスプリーストに出会わなかった。何故か、何故か、地元のツタヤにはジューダスプリーストがなかったのである。俺はモーターヘッドとアイアンメイデンに憧れたが、俺のストラトは当然シングルコイルであった。
俺のヘヴィメタルはそこで終わった。俺のヘヴィメタルはちょうど30分を過ごすためにスレイヤーの"Reign In Blood"を頭からケツまでかける、当然ながらボーナストラックは削除する人生である。
俺のヘヴィメタルはそこで終わった。
だがしかし
俺の人生はサイケデリックにドープに、ヘヴィメタリックに進め秒針よりも早く。
土日の時間は限られている。無駄なことをする時間はない。
俺は午前中を有意義に過ごし、約束の時間を大幅に遅れ、元100キロの男を100キロに至らしめんとしたヤサイのバケモノに向かった元100キロの男は60キロを超えただけでギャーギャー言いやがっているので、俺は遅れたことを詫びるために勝手に大ラーメンの食券を押してやったのである。俺はまさしくヘヴィメタルを感じていた。
俺の頭の中ではDokkenの"Kiss Of Death"が流れていた。
こ、
これは!?!?!?
や、ヤサイマシしななくてよかった、、、
隣にいる男はとんでもないヤサイが盛られている。
豚もなんかいい感じだろ。俺はこういう感じのシミシミ豚、端的に言って「好き」だね。
天地返さずにヤサイをアブラ、細かい豚をオカズに食えば麺のお出ましだ。うーむ、大ラーメン結構多めだ。いいね。
天地返してズルッと啜ればモチっとした麺に軽めの乳化、非常にしょっぱめなスープが口腔内を満たしていく。
ブレキンザロー ブレキンザロー
俺はまだ見ぬ御大の姿を思い浮かべていた。
ニンニク溶かしてズルッとやればうーむ、しょっぱめだがバランス型の優等生な味わいがまた悪くないと思う。圧倒的感動に襲われないものの、安定した味わいを楽しませてくれる。
たまには立川まで来るのも悪くない。矢張り映画を見に来るのは立川で決まりだな。
サクッと完食フィニッシュムーブ軽く会釈して退店!!
帰りの道では"Stargazer"のイントロのドラムが鳴り響き続けていた。わけもなく田田混んでるなぁ、なんて思いながら中央線に飛び乗った。
最近よく二郎食ってんなと思う。