味噌麺処花道 楓 『醤油ラーメン ぶたごはん フライドガーリック 生玉子』
ヘルマンションと呼ばれる物件がある。
とある住人が勝手に呼んでいる。言うまでもあるまい。
某街、某線路沿いに鎮座ましますその建物は人が人を呼び、雑誌編集者、音楽好き、音楽家、地下アイドル、宇宙の死やメンヘラ、そしてラヲタであふれている。なんというか、見る人が見たら地獄であるが、これが中央線沿いか、とも思える顔ぶれかと思う。
そんな建物に新たな仲間が加わった…「アフロ」だ。
このアフロが曲者だ。一見礼儀正しく非常に紳士的な男だと思うが、気を許したら最後。年上にも図々しくつけ込み、ごまをすり、気分良くなったところで
「部屋空かねえのかお前のアパート」などと聞いてくるのだ。
ちなみにその男は某ひばりヶ丘のラーメン屋で「すごろく屋」と呼ばれている。
奴の新居でリッツパーティよろしく朝まで飲んでいたら完全に寝過ごした。私はこの翌日の祝日、食いたいラーメンがいくつかあったりなんかちゃんと運動しようと思ったりしていたらこれ、全然起きられず。ちんたらだらだら、日々の疲れパンデミック。己の布団にベッドパットを入れたりなんだり秩序のない世界にパラダイスロックをかけたりしているうちに16時近くなってしまったのだ。
ひばりヶ丘に行きたかったが…痴漢なんとかさんが「信号まで並んでますよ」などというデマを発したおかげで私は久々にここ野方に降り立つことが叶ったのである。
しかも味噌じゃなくてお醤油もある日だ。ここのお醤油は下品で最高なのである。
こ、、これは!?!?!?
下品などと自分で言ってみたものの、やはり目の前に現れてみればその黒々とした液面と色合いにうっとりしてしま…と思ったが、
油が回って割とマイルドな色。
ズルッとやれば嗚呼…しょっぺえ!漆黒スープに染まったこの固めの麺はやはり最高!そしてスープうまい。俺好みの札幌バイブス全開なブツだなあ。
久々のご飯物もまた最高だ。辛タレが本当にうまい。
生玉子に通してもこのスープの力強さは失われない。ある意味で信頼とも言えるだろう。
そしてご飯足りなくなり追加でもう一杯は当然の流れだ。ライスマネジメント能力を凌駕する美味さがあるからまあ仕方ないよね。仕方ない。
ニンニクぶち込みつつサクッと完食フィニッシュムーブ軽く会釈して退店。
大して運動もせず部屋の掃除くらいでそれ以外の時間はずっとサウスパークを見て過ごしていた。
夜になると英語が出てきてしまう病気にかかった。
ワークマンで派手なジャケットでも買ってやろうかしらん。