一条流がんこラーメン総本家 『上品アブラ多め大盛り』
ブランク
人前に立つ
そんなことの恐怖というのは計り知れないものだった。デビュー戦、というものの重さ。
人はなぜそれでも人とのつながりを生む行為を止めることができないのだろうか。
わかっているつもりだった。
ラーメン屋の開店には何度も行ったし、再開のプレッシャーも凄いものだ。なんせ、並んでる我々の方がおっかないのだ。みんな血気盛んで血走った目を伏せることがない。
あれは1ヶ月以上前のことか。もう3ヶ月近く休んでいたことを忘れるような感じだ。
私はその間に完全なる自由が丘中毒者と変貌を遂げてしまった。下品の味は確かに懐かしいものだが、昔ほどの衝撃がなかった。これは自分自身にどういうマジックがかかっているのかはわからないが、趣味趣向は変わるものだし、また原点に立ち返るものだ。
俺はラーメンの変化、前夜の夢と共に、俺は確かに俺自身も「上品」になったのかもしれない。ここからまた「下品」に進化するには時間がかかるかもしれん。
そういうギターを弾くバンドになりましたが、バンドはバンドです。我々はトータルで進化せねばなりません。
YouTubeに動画を上げたので、興味のある方は「煙景寺」とご検索ください。
久々にあの緊張感と、後から動画を見て情けなさを味わったわけだ。だがギターのサウンドだけは相変わらずよく褒められる。
俺は北海道の、あのキラキラを生み出し続けたいんだと強く願い続けている。
というわけで。
ライブ後の翌日のラーメンが旨いのは、観に行く側も演る側も一緒ということだ。
惰眠を貪っていたら「8人しか並んでいない」という情報を仕入れた私。ダッシュで服を着替え、酔って帰ってきたのもかかわらずちゃんと風呂に入って入念に歯を磨いていた俺に感謝したい。3分で歯を磨き、2分で着替えて外に出た私を救うようなこのビミョーな天気と自分自身の神に感謝した。
ついたその「現場」には…もう一人の「尊師」がいたのである。尊師はわざわざ俺のために並び直してくれた。音楽話に花を咲かせればその待ち時間は一瞬であった。
サクッと入店し当然上品…今回は5番なし!アブラ多めだけコールしてだな…
て
こ、
こ、これは!?!?!?
見ただけでわかる。。。優勝のサウンドが耳に届く。
わかるか…ギルモアのギターなんだよ。
One these daysのスライドギターだ。
スープをズズッと一口やれば嗚呼…染みるロングトーンだ。
麺をズルッとやれば嗚呼…Echoesのカッティングだ…適度…とはいえない攻撃力の塩分と油脂分…
家元が自慢げに「上品にはこれが1杯入ります…」と見せた鶏油の塊。
「あなたのはこれが2杯入ってます!本当です◎!」
参りました。原価上げてごめんなさい。
美味すぎてそんな言葉すら出てこねえ。
端豚底から拾い上げて女将にエア会釈ブチかまして愛情受け取ったぜ。。。
大満足完食フィニッシュムーブ店の外を見てサヨナラを言わず退店。
私は脱出した。そして俺、矢張りアレを食わねばならぬと並び直したところでやってまいりました。
Mタケ軍団…!!
俺は歓迎した。拍手で手が痛むほどに、だ。