人生に必要なのは、極上の合法ドラッグである。
ずっとジョージ派を名乗ってきた人生でした。
私にとってビートルズといえばサイケデリックバンドであり、ジョージ、ジョンのLSDキメまくったサイケ性がなければビートルズではないのです。
そう思っていた時期が、私にもありました。
正直な話、ポール・マッカートニーという偉人にはそこまで興味がありませんでした。また来てる…そしてチケット高え…なんて毎回思わされていました。
いざ生で体感すれば76歳とは思えないバイタリティ。得意のバイオリンベースを抱えて出てきた、おじいちゃんっぷりを見せてくれると俺は淡い期待を抱いていましたが、ベース弾いて歌うかと思えばギターも弾くわ当然アコギも持つわピアノは二つも用意されてるわの大サービス。
エネルギッシュな50代のおじさんミュージシャンよりもずっとセクシー。そりゃあイングランドからSirの称号をもらうわな。
客を置いてけぼりにする"Got to get you into my life"や"Mr.kite"なんかのサイケデリックビートルズ披露は眉唾ものであり、ウィングスの曲やオールディーズなビートルズもいいものの、矢張りHey Judeではしっかり客の涙を誘い、俺はアンコールのHelter Skelterで完全に腰の浮く思いをした。座ったままの姿勢でジャンプをカマし波紋に目覚めることに成功したのである。
最後のアビィロードメドレーで俺は完全に覚醒した。が、俺は一昨日の無敵感を抱えたまま、会社でとてもつらい思いをしたのはこの前日の話である。
1日置いて当日はバンドの練習であった。ビートルズのサイケデリズムを理解してもらおうとバンドメンバーに伝えてはいるが、まだまだ理解できないのはそれ当然であり、俺は元100kgの男に今日もLSDを超えるドラッグを摂取させることにした。それはがんこラーメンとは全く別の、小麦とアブラの暴力による覚醒剤。
それが必要だったのである。
16時半…開店2時間前についてみれば、我々の目の前にはすでに9人。がんこより並ぶじゃん…土曜のとしおかレベル超えてんよ。
寒さに震えながらも開店時間まで待っていればゆうに50人を超えるレベルであった。
また
この待ち時間こそが富士丸の中毒性に拍車をかけるものである。
「1時間の待ち時間ごとに脳内麻薬の分泌量は二次関数的な上昇が見られ、2時間に差し掛かる頃には【摂取量の許容範囲を超える食欲】を誘引する」
(民明書房『実録 ラーメン富士丸の掟』所収 第3節「山藤のモーター音の謎」)
とあるように、あのモーターから発せられる謎の物質が大脳新皮質に働きかけ、大盛りの食券を買わねばならない病にかかる。
これはこの世の真理である。
脳みそヘルタースケルター
我々を迎えてくれたのは、店内を流れる富士丸有線。
サンプラザ中野くんさんまで俺に「大盛りを買え」と囁いた。
俺は助手さんに「ふ、普通の大盛りレベルで…」と伝えてみれば、厨房で神が僕に微笑んでいた。
恐怖した。
小上がりで俺は覚悟をキメ、座布団を二枚折って重ねてケツの下に敷き座高を引き上げたのである。
こ、
こ、
これは、、、!?!?!?
お、おう、、、やっぱ多いよ…丼深いよ…
なんか「ハッパ」載ってるよ…
まあでもいけるな。こないだの小金井ほどじゃねえぞ。
ヤサイを食い進めて麺をコンニチワー。ご対麺してみれば嗚呼、俺これくらい食いたかったんだよな。ヤサイよりも麺が食いたかったんだ、ぼかぁね。
でも何かが足りないな、と思ったら
アブラがきた。
なんか、見たことない量をブチこまれた。
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
こうなると完全にキマる。
天地返してズルッとやれば富士丸ミストを顔面に浴びて恍惚。富士丸ヘイズで完全にブッ飛んだ。ゴリゴリの麺がビンビンに喉を通っていけば俺のストレスは全てぶっ飛んでいった。
そしてアブラを添えた麺は最高だ!
アブラ玉子まで完全に堪能しつつもその麺量に大満足。
でっかいニンニク、でっかいアブラを頬張りながら俺は背筋を伸ばし胃から空気を抜いてラストスパートブチかました!
忘れちゃいけないセルフ白もやっぱ最高だ…こんだけ麺量あると本当に最後まで楽しめるわね。
サクッと完食フィニッシュムーブ省略イキって「ちょうどよかった」と伝えると「やるねえ〜」と言われつつ深々と会釈して退店!!
やってしまった…またしばらく…時間空けないと殺されるわ。
とか言いながら頭の中でUWFのテーマを流しながら相棒と完全にキマって赤羽までの道のりを歩いた。完璧なストレス発散をキメた。
合法ドラッグ摂取ポイントは矢張り数カ所持っておくべきだ。
それが人生の秘訣。