家がんこ2018冬…
ずっと憧れていたものがある。
家二郎、というものは数回経験した。
豚の暴力を借りて、単純に重たいスープを作り、仙川の麺の力を借りていた。
私は暴力的なものが好きである。
私はこの暴力を借りて下品になりたかった。
下品…夢見ていたのである。
また、別の暴力に見える優しさ…神田川沿いで培われたその大量のありがたみを、
それを、夢見ていた。
塩を抜いた。
数回沸騰しては捨てて、まずは詩作と称してひとつかみ分のメンマを作ってみたのである。
肉の旨味はここからとった。
肉を…煮ることによって旨味を得ようとしていた。
この時点で食い切ってしまいたい気持ちに苛まれていた。
この時点で
食い切ってしまえばよかった。
…2個仕込んだチャーシュー、それは矢張り家で食い切った。
言うまでもなく、自画自賛の嵐であった。自分の子を愛さないものはいないのである。
前々日
固茹でが好きだった私はそれでも、皆が喜ぶやつを作りたかったのである。
対してこれは完全に自己満足だ。
一晩掛けて塩を抜いた。
熱をかけずにしっかりと作った。
それ以外の肉エキスはこれでとった。
俺は高円寺の業務スーパーを愛している。
なんかいろいろ煮込んだ。
ここまでは二郎とほぼ一緒である。
干ししいたけは完全に好みだ。
メンマ遊戯の始まりであった。
とった出汁も惜しげなく使った。
前に煮込んでおいたタレで煮込むメンマはこの時点でもう失敗の予感がしなかった。
砂糖もめっちゃ入れた。
世の中の人はこれくらいの茹で加減が好きである。
2リットル入るタッパーがパンッパンになった。
更に肩ロース1.2キロ分も出汁にぶち込んでみれば、夢が広がった。
俺はそそり立つ棒も用意した。
当日の様子である。
ラーメンができるまでは居酒屋フロムムサシノの開店である。
肉のエキスをとったスープとは別に、乾物とヤサイでまた別のスープを。
ある意味これは神保町リスペクトである。
煮込んだ豚足も食ってしまう。ブタは蹄と鳴き声以外は食えるのである。
俺はわざわざこれを買いに上野まで行ったが、もう少し事前に干さねばならなかったな…直火は難しい。
そうして、ただの美味しい、ちょっと生臭いラーメンの完成であった。
絶賛の声が上がったが
二郎好きの連中にウケたのは言わずもがな、こっちであった。
反省点も多く、よしんばレシピなどというものもない状態でイマイチなレポになってしまったことも反省点である。