今年はよくフェスに行った。
まだ2つ残している。
フジロックに始まり不完全燃焼失意のライジングがもうすでに1ヶ月も前の話だ。あれから何度俺はナンバーガールを聴いたことだろうか。とは言えその前には1度見たし、セットリストを見るだけで心が震えるフェーズから一つ落ち着きを得ることになった。待ち遠しかったものを2つも体験できるチャンスを与えられていたことに俺は感謝すべきかもしれない。
今週末は渋さ知らズの渋大祭。なんとサン・ラのバンドまで出るというから驚きだ。渋大祭に行く方は現地で狂ったように踊っている私と、泥酔したデビルマンにはしっかりと声をかけるように。
来月には朝霧が控えている。もはや私の音楽人生にとって朝霧は手放したくない魔法のような場所であることは間違いないのだ。
高まってきた。
そんなことを言いながらも私。この週末に実はフェスに行ってきた。
それはなんと朝6時に着いても目の前に45人も並んでいる、恐ろしいパッション&セレブレイトな現場であった。
じゃねえよ流石にやりすぎだわ。
みんな気が気じゃなかった。先に到着してウロウロしているよく見た顔、子ども、不良美容師、緊張感を漂わせる、若干疲れすら感じさせた家元の顔。我々中毒者は確実にがんこホリックにあり、その病状極まりつつあったことは否定できない。
ここまで…皆ここまで待っていたのか…
そんなことを呟きながら我々中毒者軍団吉祥寺支部は四ツ谷駅前ジョナサンに逃げ込み2時半以上のチルアウト。おまけに某タクシーマニアまで得意のタクシー配車テクをぶちかまして到着。静かに暮らしたいと思いながらも到着した瞬間にこの素行の悪い男は「生」などと宣ったため、我々もビールを飲まざるを得なかった。2杯目の注文は当然俺が人数分ブチカマしたことは言うまでもないだろう。
そこからが長い戦いだった。開店前、店前に着いた連中は本当に見た顔ばかりであり、宇キャップを被った某さんや「ぜんりつせんたろう」などと名乗っている腐れた若者までいたのである。
祭だ。完全に祭りであった。店前に漂うその香りはたしかにパーフェクトとは言えなかったが、我々早朝飲酒軍団は過敏になっており、明らかにその匂いだけでキマっていく運命から逃れられないのであった。
女将と対面した瞬間に俺は涙が出そうになった。
だって私、ラーメンの前では女の子だもん。
こ、
こ、こ、
ここここれは!?!?!?!?!?
およそ3ヶ月半ぶりの下品なラーメン…もとい魔性を秘めたスープ!
悪魔のようなラーメンではなく神にもなれるし悪魔にもなれるブツのお出ましだった。
俺は迷わず悪魔になることを選んだのである。
一口すすれば嗚呼…嗚呼、横に座ったデカい奴と目が合い俺らは肩を組んだ。完全にがんこだった。得体の知れない魚介風味、麺の硬さ、熱さ、そしてしょっぱさ…不出来とか言いながらアイデンティティを失わないのはなぜだろう。
家元がどれだけ自信なさげに「不出来です!」とおっしゃったとしても、我々にはそれが「がんこではない」とは思えなかったのだ。
どれだけ誤魔化されたとしてもがんこラーメンになるのは仕方のないことだろう。これが業務用スープだとしても俺は疑わない。
たっぷりすぎる悪魔肉は再仕込み直前のどぎついブツ。
そしてきわめつけはチャーシュー…俺が食い始めた頃のバラチャーシューに戻ったかと思いきや、あの頃よりもさらに柔らかなブツであった。
こんな角煮級のブツ…嬉しすぎて米が一瞬で減った。
既報ありだが、なんかもう肩ロースに戻った模様だ。
ドギツい悪魔な下品スープは当然ツケダマによく合うブツだ。
そして唐辛子もよく合う。堪能した。まだ実感が足りなかったが。
当然完食#完飲制倶楽部 ブチカマしフィニッシュムーブ深々と会釈して退店。
なんだか実感のわかぬまま、頭の中が混乱した帰り道。
正気に戻ったのは、電車にて服、身体から漂うがんこ臭を感じ、
そして吉祥寺駅の改札を出たタイミングでゲップが放たれた瞬間だった。
ぶっちゃけ無理はしないでほしい。引き際を見極め、引退日を設定してほしいと切に願うばかりである。
心の整理がつかないブツを生み出した家元、あんたの責任だぜそれは。