しょうもないネタバレに怯えるのと同時に
未経験の人間にその良さを伝えるのはとても難しい。
最近、それを思い知ったことがあった。
どうも「流行り」みたいなものが本当に苦手で。最近の口癖とすれば「チェンソーマンと鬼滅の刃と呪術廻戦は読んでません」なわけだ。「トレンド」っていうものに関してはチェックはすれど、うっせえわ、の一言で片付けてしまう。悪い癖だ。
市井の社会における流行はそれこそ「消費」という言葉が最も適切な言葉だと感じる。誰もワニのことを覚えていない。ワニのことを覚えていて、今も愛している人だけが市井の人間に石を投げることを許される。
わかりやすいものを絶対的な物量で宣伝すれば、どうせ嫌でもその言葉が脳内を支配していく。「愛している物・事」のシリンジが心臓に突き刺さり、内容物が血液と同じように流れていくからこその愛になる。愛する人を作る血肉となったものだけが、俺の信頼たる人間だと考える。未だにタピオカ・台湾茶屋に並ぶものだけが、『消費者』に石を投げることを許される。
ヲタクたちの熱量に、それ以外の人間たちが怯えていくなんて本当によくあることだ。
偏愛者・偏執狂にしか興味はないが、同族嫌悪的な気持ちもある。偏愛・偏執狂に見えても「チャラい」雰囲気を醸す人間があんまり好きじゃないのはもはや自覚すらある。わかりやすいポップさ、簡単な言葉でああだこうだ言わず「美味い美味いと」と書いている人と‼️を多用する人に関してはとりあえず、俺の眼中にはいない。
話が逸れ過ぎた。
HUNTER×HUNTERの魅力は?と言われて説明できない俺がいたことにショックを受けた。何が良いかも伝えられず、俺はただただその面白さに興奮し、忘れられず、ただただ冨樫のモチベーションが戻ってくるのを待ってるしかない自分がいる。
じゃ、俺。ラーメン二郎の良さって伝えられているだろうか。
多分写真なきゃなんもできねえだろうな、ってなんか落胆したんだけど、そういう時こそやっぱここのビジュアルが助けてくれるんだと思うわけだ。
こ、
こ、これは!?!?!?
昼下がりの天沼陸橋。矢鱈混んでいるのもブレの範疇だが、行列整理の助手からジロジロ見られているうちにそんなことも気にならなくなる。
見ろ…外からの光にも負けないラーメンの神々しさとライトの妙技よ。
後ろ見てみりゃとんでもねえアブラの量だ。
味噌辣油作って温野菜サラダ食えばもう最高よ。
天地返してズルっとやれば嗚呼…ど乳化お汁を引っ張り上げる硬めの麺よ。最高に美味いじゃないか。これぞ荻窪の味だ。
ブタさん広げてみればこれまた立派なブツばかり。美味かったけど全部、口の水分を引っ張っていくものだった。
生玉子つければ乳化だっつうのにこれが本当にマッチする。お醤油濃いめのお汁に俺は感謝の正拳突き1万回を敢行。
堪能した。
サクッと完食フィニッシュムーブ軽く会釈して退店。
近づくXデーに怯えながらも仕事を少しずつ始めた俺は、自分のやれることをやっていくことによって自分の価値と.愛を高めていきたい。
そう思いながら仕事…してたら馬鹿どもが「サウナ行きたい」って騒ぎ始めて俺はすぐに心が折れたんだがな。