集合時間はきっちり守るタイプの俺である。
むしろちょっと早めに行く。
せっかちである。基本的に。
時間を厳守するということへの強迫観念的なところがあると言っても過言ではない。この話題が何回目かという邪推についても一過言ある奴がいることは否めないはずだ。
はじめての場所への到着ほど緊張するものはない。俺は絶対に不意の終電逃しをしない。故意の終電逃しは恋を捕まえる、なんて言うけど俺は「帰んなよベイベー」と言って腰から1センチ手を浮かせたところに右手をあてがってエスコートする。よく考えたら沖縄にいた頃は車文化だったから良かったのかもしれない。
かといって人の遅刻をどうのこうの言うわけでもなく。10分前到着が定番となっているのは
TimeとMoneyがひとセットになってダークサイドオブザムーン的な狂気が見れるようになるとからである。
そんな俺も抑うつを拗らせてからは緩くなった。結構平気で遅刻する相手というのも出来てしまった。
むしろ俺自身も人の遅刻を許すし、女の子が化粧終わらなーいたいへーんなんて連絡してきてくれたらそれはもう「気合入れてきてくれるんでしょうな」なんて思ってワクワクしてしまう。ほぼすっぴん眉毛描きのみで現れる女の子はそれはそれでなんだか"COOL"だしイケてるって感じちゃうから。
しかしだ。許されない遅刻というものも存在している。
それは「目的のものに間に合わなくなる」というものだ。俺はいつもそれについての強迫観念に駆られている。
この日もそうだ。集合時間10分前に隣の駅に住まうカズダンスおじさんから「今から家出れるで」なんて連絡は来るし、丸メガネに腹巻というカトちゃんルックのおじさんからはなんかぽやーっとした連絡しか来ないし。
挙げ句の果てには俺1人で任務を遂行しろとなれば、任務以上の付加価値が目の前にニンジンのごとくぶら下がる。
野に放たれ理性を失った野獣は
「小でアブラコールしなければしょっぱ目で食えるんじゃないか」などとしっかり考えていたのであった。
こ、
こ、これは!?!?!?
テイクアウト買って待つ間に一杯食う…なんて贅沢なんだろう。俺はこの幸運を勝ち取った男として勝ち誇りたい気持ちになった。
アブラでクタ野菜食えば最高にうめえ…
ズルッとやれば嗚呼………完璧だ。こんなに完璧な代物、久しく当たってなかった気がする。やっぱ大盛りより小の方がいい感じするな。
ブタさんは硬めみっちりのブツ。胡椒かけて食えばもう最高よ。
堪能した…
サクッと完食フィニッシュムーブ軽くブツ受け取り軽く会釈して退店。
何食わぬ顔でチトカラまで歩き現場到着。
もう1人は初台の寿司屋で飲んでやがって集合をすっぽかしていたことがお土産によって発覚。
いるよなー、時間通りに来なくても愛嬌で乗り切るタイプのヤツ!!
俺もだ。俺は一生三点リーダーを使い続けるぞ。