食事に関して本能というプログラムが動いているのであれば
その食事を制限するには、そのプログラムを書き換えるもしくは外部のプログラムによって抑制するしかない
これはとても難しいことだと思う。
なんて因果なものなのだろうか。我々は生き抜くために本能に縋る。生殖のために3大欲求が備えられ、それを行使して生きている。現在よりもおおよそ「危険」が多く潜んでいた世の中において、睡眠力ならびに食事力は現在よりも強く必要とされていたことは間違いないわけだ。その人間がこの200年で爆発的に発展し、ここまでの文明を作り上げ、世界の半分くらいの地域では「安全」に生きられるようになった。
機械化とはよく言ったものだが、機械化とは実のところ人間が人間に近いものを生み出す過程なのかもしれない。
私は食という本能を失いたい。こんな人生無理。
いくら抑制しても腹は減るわけだし、もう辛抱たまらんと思わされて目の前にラーメン屋があることも多々ある。
阻害するプログラムといえばそれは例えばパーソナルトレーニングとか塀の中とか奥さんの存在なのかとも思うが、俺をそんな簡単に縛り付けていられるものなのだろうか。
一つ方法がある。メモリをいっぱいにすることだ。ようはたくさん食べておけば良い。たくさん食べて満足する。動けなくなるほど沢山食らう。
ただし、食うものは美味しいものに限る。美味しくないものをいくら食べたとて、気持ちが収まるわけがない。
どうしてこんな面倒くさいことになったのだろう。
と、いうのも。
夕飯〜夜食にラーメンを食うことを制限していた。少なくとも18時以降は絶対に食うことを避けていた。それだけで俺は痩せたのだ。その分夕食を野菜とタンパク質中心にし、適度な運動をして自分の中にあったプログラムを壊している。
にもかかわらず、悪のプログラムこと可愛い後輩のラーメン連れてけ攻撃。神様、先立つ不幸をお許しください、などと言いながら入店をキメたのであった。
とか言ってりゃなんか隣に座った美女…めっちゃ店長と喋ってるじゃん…飛沫防止シート越しに何言ってるかわからない合戦だ!
こ、
こ、これは!?!?!?
よく考えてみればもり野菜…初めてだな。
「甘かったら酢かけて」
「残してもいい」
「この金額もらったらこれくらいやらんと」などとヒジョーにありがたいお言葉をいただきつつ野菜をがっついた。
スープが境界線にしみた野菜、マジ甘え。
麺ドボンしてズルッとやれば嗚呼…甘え…最高のスイーツ。こんなに甘くてほんと…
てか「甘かったら酢入れて」って、甘いこと自覚してる発言じゃん。可愛い。
麺に辛いのとニンニクぶっかけて野菜載せたりチャーシューで野菜巻いたりして最大限堪能した!!
スープ割りもいただきつつ「ぜ、ぜんぶのまんでいいよ」などとお言葉いただき当然それに甘えた。
サクッと完食フィニッシュムーブ深々と会釈して退店。
すでに19時過ぎ。酒を飲むこともなく俺たちは池袋で別れた。
俺はなぜか東中野まで歩いた。
食物繊維とったし運動したので痩せた気がしたけど多分気のせい。