なんというか改めて
観光が好きだなと気づいた。
旅って様々な形態がある。
ビジネスもあれば帰省もあるし、人に会いに行って話すだけの旅行もありうるわけだ。いろんな形のロードムービーがある。主演がディレクターのいびきで眠れないとか、目を半開きにして寝ている主演がいたり。
俺は自分でもびっくりするくらいに早起きした。
ホテルのシャンプーがノンシリコンだということに気づいてなんというか京王高尾山駅の温泉並みに感動して。しっかりトリートメントまでして髭まで剃って。いや、多分剃ってない。テキトーにしてた。このホテルのタオル持って帰るのはちょっと恥ずかしいな、とか思いながら荷物増やしたらまた暑いんでない?
なんて独り言を言いながら高速バスに乗り遅れ、俺は電車で東に進路をとった。8時過ぎのに乗り遅れたら俺はあと1時間以上暇をするところだった。
磐越西線は非常に森が深く。大して見れるものもないと思っていたが、その道のりはひたすら阿賀川沿いを走るもので。俺はいくつもの絶景を見ては声を上げ、車窓から写真を撮った。
すっかりとダムおじさんよろしくダムの写真を撮りながら…iPhoneで喧嘩ラーメンを80話まで読む3時間弱を過ごしたわけだ。
到着した赤べこの聖地。
新潟よりも寒い。明らかに盆地パワーを炸裂させている。
マップを見れば思った以上に市内観光地も少ないと感じながら、黄色い看板の下には10人以上の行列。
俺、その後どこに行くかとか色々迷いながらも、選択肢として「いや、いきなりエビつけはない」とか自分に言い聞かせつつ。
明日の在りや無しや
知るものか。知るものか嗚呼。
こ、
こ、これは!?!?!?
見た目どう考えてもインスパっぽい…豚とかなんだこれ…皮付きのバラ肉なんで二郎で見たことないぞ!とか言いながら。
生姜の細かさ、というか荒さになんだか懐かしさを覚えた。
ズルッとやれば嗚呼…これ…どこかで食った味だ。
マジでこれ…ええ…どこかで食った味だ!!
マジで懐かしい!!俺の記憶…これはどこで拾ってきたんだ!!
美味え!!
これがあの頃の小金井の味なら、俺はもうこの時点で旅、やめて帰ってもいいと思うくらいの感動。
あとネギ。地味に嬉しいよなー。
なんて…なんてものをここ福島で食ってしまったんだろう…新たなものを見つけたくて旅をしていたのに、ただただ思い出されるのはあの小金井街道のアレだったのだ。
ブタも最高に楽しめるブツ。最後は胡椒ぶっかけて堪能した!!
サクッと完食フィニッシュムーブ軽く会釈して退店!
鶴ヶ城を観光した。その景色の美しさに心を震わせながらも、なんだかここが革命に抗う最後の土地だと知っていたから。
アンニュイな想いを抱きつつ。
俺は最後の牙城を崩しに行く官軍と化した。
新小金井街道も多分秋だったと思う。