油臭い香りほどノスタルジーを感じるものはない。
そう思いがちなのは高校の頃、試験期間になると好きな中華屋で五目焼きそばを食っていたせいか。
狂おしいほどに懐かしい思い出だ。
どうも俺は実家でストックされていた中華系のレトルト食品に手が出なかった。昔食ったレトルト中華丼に入っていたうずらが不味すぎてブチギレたことがある。中華餡トラウマをここで覚えた。だから、高校くらいまで餡掛け的なものに全くと言っていいほど魅力を感じなかった。絵文字が多用される文章よりも魅力を感じなかった。
以前から何度も語ってきたことだが、俺は◯谷園の炒飯の素が本当に嫌いで。実家で手軽だからと炒飯を結構作ってもらっていたのだが、雑な塩分と変な刺激で油酔いをするような感覚を覚えていた。こういう経験は俺の趣味的なものではあると分かっていたが、中華に対する思いがどうもネガティブなものに偏っていた。俺が許せる中華は唐揚げと餃子くらいのものだった。
唐揚げと餃子は大好きだよ。
だって唐揚げと餃子だからね。
これを何のタイミングで克服したかというと、『どっちの料理ショー』でカタ焼きそばを作ってるところを見た時か。あれでなんかあんかけ焼きそばが食いたくなり、北見の『八仙閣』と『流来』であんかけに対する偏見を返上した気がする。
いまいちこの、米に餡をかけるという食い物に対する恐怖は残り続けていた。俺は元来からトラウマを抱えやすい人間であり、未だにホタテを焼いたものとかほうれん草のアク抜きをせずに炒めたものとか納豆とかが食えない。この辺りは克服する気も起きない。
しかし。あんなに先人たちが美味いと言って憚らないものを食わないわけにはいかない。そう思っていたのは矢張りそれが町中華だからで、油臭さと近所のリーマンや職人たちが集まるような場所こそが最も最先端の盛り場だと信じているからである。
こ、
こ、これは!?!?!?
異様すぎる…店の客大半が常連のような雰囲気な上に外に並びまで出来てしまって俺は圧倒された。
パクッとやれば嗚呼…あっツイ!!アッッッッツゥイ!!ひゃー、これか…美味い。
これを語るボキャブラリーは今んとこまだない!熱くて具たっぷりで味の濃い餡が最強だということしか俺は知り得ていないかもしれない。
なんか餃子が食いたい気分だったから。
これビール欲しいヤツだわ。
シャレも効いてて最高の店。
サクッと完食フィニッシュムーブお会計軽く会釈して退店。
その後はYouTube動画撮影を高円寺で。
世に出るかわかんないけどな!
木耳炒め食いてえ。