ノイローゼになってしまった 友達が僕に言う
あの楽しそうなディズニーランドへ 一緒に行こうよって
僕は多分行く気がしない
なぜなら彼は 気が 狂ってるから
と歌いながら車を運転した。昼間から。
もうこんな生活懲り懲りだ。取りに行く。欲しいものは全部。奪いすらする。
手放したものの価値も大きかった。頭の痛い思いをしなくなりつつあるも、得た代償が本当にデカかったなと思う。体重とか。体重とか。そう、体重とか。
環七を爆走してみれば、味噌一の横でいつもの紫のオーラを感じ取った。後ろの席にはいつの間にか元100キロの男が座っている。他愛のない話で食い繋ぐことになるかと思えば、完全に下世話な話で盛り上がる。そんな時間を得られる平日の昼間だから、何とか気持ちも持ち堪えられた。
長いドライブが終わり、我々は彩の国に足を踏み入れた。どこの駐車場が安いとか、そんなことを議論する余裕もないくらいにADHDっぷりを発揮する我々にとっては、駐車場料金よりも「早く食いたい」が重要なんだと思う。
あまりにも久々のことで、そして何よりも並びの多さよりも外待ち整理役のスタッフがいることなどもあり、何だか気持ちがブチ上がってしまった。その方に汁なしはあるんですか、などと聞きながらブヒヒ、ブヒヒ、大汁なし食ってやろとか言ってたら食券を間違ったりして。
そんな時でも厚顔無恥に、食券確認の時に小豚と大の食券を間違っちゃいましたと伝えた厄介な客は私だ。
「大豚の間違いでしょ」
「おかしいな。大豚でしょ?」
厨房から聞こえてきたことに身を硬くして俺はしっかりとマスクを付け直し、帽子を深く被り直した。
約束の時。着席した我々を待ち受けていたのは、やっぱりイジられる俺の現状についての尋問と、
「隣の大の食券の彼は元100キロの男?」という、とてつもないサーチ力を誇る悪魔からの一言であった。
こ、
こ、これは!?!?!?
年始以来の越谷行脚。汁なしやら生姜やら塩ラーメンやらを俺は数十キロ離れた土地から指を咥えて見てたわけだ。
底から麺掘り出してみれば大層なお手前で。
ズルッとやれば嗚呼…美味え。
ド非乳化スープのラーメンが厨房内にてしっかり攪拌されて出されればモッタリとした口当たりに変化するタァ流石でございます!とか脳内で呟いてた。漏れてないことを祈る。
食いごたえ抜群最高デリシャスなブタさん並べてパクつけばマジで感謝の正拳突き1万回。
「この後立石行くのか?」とかいろいろ聞かれても早口で何のことですかとナードぶるしかない俺の醜態。
「楽しそうだな〜」ってそりゃこんな美味いもん食えばそりゃ楽しいっスよ!
FO混ぜて食ったり胡椒ぶっかけて食って最後まで飽きずに堪能した!
大満足完食フィニッシュムーブ深々と会釈して退店。
一緒にいるのがとても辛くてたまらないから
パクツイ するのが とてもうるさくて たまらないから
そして僕は 冷たい人間の 仲間入りさ
とか歌いながらノーマルの大ラーメンも食いてえなぁと今切望している。
越谷行きてえ!