analog. 『カレーJAPAN350 肉増し』
私の初恋はカレーライスの女でした。
本当です。
あれは中学生の頃だった気がします。もしかしたら高校生の頃だったかもしれません。
もしかするともしかすると、私の初恋は中学生の頃に浜崎あゆみが好きだった女の子だったような気もしますが、"𝓜"を見たことによりその過去はとりあえず無かったことにしようと半年くらい前に決意したこともなんだかすんなり思い出した気がします。
よく考えたらあれは気の迷いだったし、俺はなんだかその時に中学校の頃のクラスのカースト制度を学んだ気がしました。理科の授業中に「え〜キモい〜www」とバカにされたあん時大笑いした井上くん、怒らないから出てきなさい。
新品おろしたてのワイシャツ並みの糊付けされたような襟の硬さを思わせるようなバリバリの童貞だった私は、カレーライスの女のジャケットに衝撃を受けました。
好奇心の塊、抑えきれない性欲の権化、無知の人間には知るための糊代があるなどと言いながら、その当時まだそんなにインターネットも普及していない世の中で私は実家の和室に置いてあったパソコンを活用して「エロいジャケット」を探す旅に出た。
当然ながら行き着くのはスコーピオンズのアレ、ジミヘンのアレ、ブラインドフェイスのアレ、そしてスリッツのアレ。若干16、17歳の青年にとってインターネットという広大な海を泳ぐにはグーグルで「CDジャケット エロい」なんていうIQ10以下のワードを窓にブチ込むしかなかったし、それを調べてなんとなく覚えて玉光堂(道民御用達)に行ってCDを手に取ってはニンマリとしていたことを思い出した。
出しつつも、カレーライスの女のジャケットにおけるあの横乳!横乳!カレーを食うと未だにあれが思い出されることを考えれば私の童貞精神というものは全く失われていないし、今なんでこんな文章を書いているのかを冷静に、暗いお空に浮かんだ幽体から自分の姿を見てみればそのまま空の上まで飛んでいきたいと思ってしまうのです。
と、まあ
ラーメンを食って何故かフォロワー1.1万人を抱えてみてもモテるわけがない。
ラーメン二郎はモテないから蒙古タンメン中本を食う、という発想をしてみてもそりゃモテるわけがないし、だからじゃあカレーを食えばモテるのでは!?などと考えてもこんなにニンニクが入っていれば飛びついてくるのは食いしん坊な大学生(野郎)かおじさん(おじさん)しかいない。
髭を剃っても女子高生を拾うような人生はやってこない。
「鬱から回復するには異世界転生者ものを見ろ」と43歳のおじさんから恫喝されるし、ラノベは14歳で卒業しましたと言っているのにDMで「大人なのにラノベ読まない奴が人生を語るな」などと42歳のおじさんに恫喝されて涙を濡らす結果になるわけだから。
俺はカレーライスの女を思い出しながら上石神井まで歩いて行ったりしてるのである。40分かけて。
こ、
こ、これは!?!?!?
一通りのレギュラーメニューを食って仕舞えば当然やることといえば原点回帰。何はともあれ基本に帰ることは重要だし。
なによりも私はカレーライスが食べたいのだ。
パクッとやれば嗚呼…難しいことなんか何も言う必要はない。濃くてしょっぱくて美味しい。そして量多い。俺はそれだけで十分幸せになれる。
ニンニク溶かしつつ辛いのぶっかけてみればもう最高じゃないか。最初から辛いのもいいが、こうやって味変できるのが矢張り良い。
激辛ばっか食っても能がないしな、とも言わんが俺は俺の自由を楽しませてくれる店を好みたいのだ。
堪能した。
サクッと完食軽く会釈して退店。
なんて楽しんだ上に前日ビデオ通話でナード野郎どもの全裸飲み会を見せつけられたこともすっかり忘れていたのに。
リバプールがボコボコにやられて精神的にかなり病んだ。
カレーライスの女さん、最近どこで何してるんですか。