フロムムサシノ

エクストリームラーメン専門家。ラーメンブログ史上最強の駄文による記録。

ラーメン二郎 仙川店 『小ラーメン』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカンバーベキュー最強決戦 を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

期待に期待を重ねていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカの料理番組、特にドキュメンタリータッチに仕立てられたものの流行は今に始まったことではなく、少し前からNetflixにおいて放送されていた。

 

特に俺が最初に興奮したのはマリファナ・クッキングなるものだった。アメリカの多くの州で解禁されたその花の有効成分THC、最近じゃ日本でもよく売られている茎から抽出したCBDなる成分を使い、最高にキマる料理を作るというそのコンセプトに私は、めちゃくちゃ興奮した。それはもう、めちゃくちゃ興奮した。

 

我々が得られぬ興奮に包まれていく様を見ながら、本人たちは至って真面目に料理を作る。科学的な根拠をしっかりと織り交ぜつつつ、彼らは料理を作り、コメンテーターは真面目にコメントをする。どう考えても無謀な番組運びなのだが、俺はその静かな興奮に、酒とは違う興奮と冷静さ、頭の冴えを見せる出演者たちと訳がわからなくなっていく馬鹿どもに興奮していった。

 

 

少なくとも数話はだ。

 

 

 

アメリカンバーベキュー最強決戦。この番組の放送がスタートするというニュースは

「俺の血液型はバーベキューソースだ。」

という、あまりにも強烈なメッセージをもって拡散していった。

 

言わずもがな、バーベキューというものはアメリカが本場であり、ただ肉を焼くのではなく、その肉の焼き方、愛し方に一定の特徴を見いだせる。炭火で肉を焼いて食う、なんていうことはとてもじゃないがバーベキューとは言えず、それはただの焼肉である。

 

 

10年ほど前からYouTubeでは”BBQ Pit Boys”なる「ピットマスター」たちの集まりが、本場のバーベキューを披露し、数々の名言を残していた。我々はそれを近年になって注目し、日本語対応したあたりから馬鹿みたいな盛り上がりを見せていった。

 

 

洒落た煮込み料理などせず、ただただシーズニング、マリネを施した肉を焼き、バーベキューソースを塗ってまた炭火で焼く。我々二郎狂信者よりも「ヘルシー」に対する強い敵対心と辛辣なジョークをぶちかますことに寄って、遥か数千マイル離れた我々の胃袋を鷲掴みにしていった。

 

だからこそ。俺はひどいほどこのバーベキュー最強決戦に期待をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

そんな時期が 俺にもありました。

蓋を開けてみればNetflixお決まりのドキュメンタリー仕立て。好きな料理を作らせるかと思えば、毎回「ルール」を設定し、偉そうなコメンテーターが料理に関する蘊蓄を語り、一番頭のおかしそうなBBQ狂信者のおっさんどもを蹴落としていく。

 

俺の期待していた「リアル」はそこになかった。BBQよりも、そこに存在する「番組としての面白さ」のみに照準を絞って攻めていく。

 

難のために俺は数ヶ月、期待していたのだ。バーベキューソースが血液型だと言いはったあのおっさんはあっけなく脱落した。

 

 

俺は何を信じていけばいいのかよくわからなくなった。アレが面白いという人もいるかと思うが、俺には合わなかった。「頭の悪さ」みたいなものが削ぎ落とされていく感覚が、全くといっていいほどなかったのだ。

 

 

 

俺は「風潮」みたいなものがとても嫌で。特に純血ではない、後から入ってきた者に開拓されて、バーベキューソースが薄まっていくことが我慢ならないのだ。

 

ラーメン二郎においてもそうだ。俺も最近はクラシックな味わいを求めているように思う。様々なトッピングが用意されていくことに面白さを感じている時期もなくなってきた。

突き詰めればどうもやっぱり古典を好むようになっていくのだ。名人の芸をここに目の当たりにしたい。

チャーリー・パーカードナルド・バードに帰っていくような、そんな感じに陶酔したいのである。

 

 

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こ、

こ、これは!?!?!?

 

 

 

 

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とか言いながらここんちがクラシックかと言えば、それはスタイルだけかもしれない。ただ、胸いっぱいの麺を、腹いっぱいになる豚を、自分に欠けているものを満たしていくような想いにすがりたいのだ。

 

 

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とは言えこれ本当に小か?多すぎだろ

 

 

 

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狭い隙間からズルっとやれば嗚呼完璧すぎた。今回こそは完璧すぎた。こんなに美味いブツ最近記憶にあったかと疑いたくなるレベルだ。

 

一時期、麺が細くなったのではという噂もあったが、そういったマイナーチェンジはつきものだ。俺はこの仙川のゴリッとした茹で加減の麺を一生愛していきたい。

 

 

 

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当然後半はブタさんに胡椒ぶっかけてだなもうここまで完成されたトンテキはねえ。

完全に期待に応えてくれた。

 

 

手の混んだバーベキュープレートを無理して用意するくらいであれば、俺は一品料理としてのこのラーメン二郎を愛していきたいのである。

堪能した。

 

 

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サクッと完食フィニッシュムーブ軽く会釈して退店。

 

 

 

仙川から吉祥寺の帰り道は、荻窪からの帰り道に匹敵するノスタルジックさをもはや持っている。

 

 

何事もなく、余計なものに彩られることなく、ただただその道を愛していきたい。

 

キューピーのビルの向こうに富士山が見えたら、それはなおさら最高なわけだ。