すべての時間をもとに戻そうとしている人がいる。
頭の中のことをすべて、過去に戻そうとしている。
自分だけ戻ったつもりになっても、世界は過去に戻ることはなかった。世界が元に戻った、過去に帰った。そう妄想していれば救われると思っているからだ。
ノスタルジーの為せるところか。幻惑か、妄想か、その者自身の見る世界は変貌を遂げたか。可逆進行など、今のところこの世の中にあるわけがなく、それはただの純粋な変化そのものである。
MAKE AMERICA GREAT AGAINと叫んだところで、それは結局「過去に戻る」ことではなく、過去の世界が良かった、と思う者の懐古心でしかない。結局のところ、世界の変化には進行こそが望まれる。ただ、これも話者である私の願望でしかないかもしれないが、それをここに記述をしておく。
退化に意味があるのか。生物的な退化、とはまた別の意味で、我々は進化を望んでいかねばならない。過去に立ち返り、過去を愛し、その先にあるものを見据えて自己研鑽を行う。音楽の世界もそうだ。古き手法、古きメロディ、古きものに刺激される感性を奮い立たされたところで、それはなにか「新しいもの」として昇華されねばならない。
そうでなければ私のような癖の強い飽き性な人間に刺激を与えることはできない。
昔が良かった、と言っているお前が止まっているんじゃ。
私の好きな人はそう言い放っていたが、私も完全にそう思っている。
維持は進化によって成されなければならない。変わらない何かがある、と感じ取っても、その裏側にはマイナーチェンジが隠されている。そうでなければ、おそらくは何においても支持を得られてきたものはない。それこそを私は期待している。
ノスタルジックな想いに囚われすぎて、変化に気づけない者が現れれば、私は真っ先に見限る。痛みを感じる断捨離だということも理解しており、苦痛を感じる場面、フェーズを迎え入ればければならない。
若者のやることを否定することはないが、否定するのであれば過去のなぞりと、仁義を感じないところを指摘するべきであると思う。
頭の痛い思いをしてきたある一つのフェーズが終了を迎えようとしている。この後に来るのは天国か地獄か。もしくは虚無か。地獄と虚無を望む人間が多すぎるから、おそらく戦いは続く。宗教戦争の縮図のような小規模な戦いは、たぶんこれからも社会に蔓延り続ける。
長かった。
私にとっての頭痛の種も一つ消えた。3年間、生きているようで地獄を感じていた私は、ここまでにインプットしてきた数々の幸せや、溜め込んできた鬱屈、34年弱生きてきて気づかなかった己の業とすべての枷を外し、再スタートを決めることをここに宣言する。
自分の居場所の確保を目標としてここに捧げ、俺は、頭の痛くならない世界を求めて戦うことを、強く、誓うのである。
こ、
こ、これは！？！？！？
おおよそ記憶にないほど遠い昔に、並びすぎやろ、ベジポタってなんやて工藤、などと言いながらスルーし続けてきた吉祥寺駅バス通り。
俺は迷わずマクドナルドの門に手を差し出していた。今までの人生、知らないものを知ろうとする姿勢をまた取り戻そうとしている。
ドボンしてズルっとやれば嗚呼…やっぱり立地の利便性だけで人は選ばないな、と思う。美味い。麺についてはもうちょっと…って思うことがあるが。
スープもチャーシューも美味いからこそ、素の麺でも楽しめるところはある。
コクと粘度の関係は微妙なところはあるにしろ、俺はこれを発明だと思う。
ただ、麺いっぱいあるなと思って心躍ったんだが…ザル敷いてんのか…
もっと食えたな。
サクッと完食軽く会釈して退店。
その後はスミス歌ったりプリンス歌ったりして若い奴らにドン引きされていた感。
一緒に行った女の子の顔面変容術にビビった記憶。
まだこの頃は疲れていたな…
