お土産
貰えればなんでも嬉しいものである。
私は北海道で生まれ育ち、沖縄で学生生活を送った。当然ながらとてつもなく長い時間をかけて帰らねばならない。飛行機代も馬鹿にならなかった。まあ当然あの頃は親のスネをかじっどったわけだが。
飛行機というのはどうもあの「搭乗1時間前には空港に」という暗黙の了解があるところに難がある。新幹線なんか5分前に改札をくぐれば良い。電車はその点、移動時間がダイレクトに考えられるので、非常に助かる。飛行機の場合はどうしたって「お土産を買う時間」が潤沢に用意されているわけだ。
そんなわけで、私はお土産に関してはもう飽き飽きしている。北海道の人間はどうしたって白い恋人とじゃがポックルとロイズのチョコ味ポテチを手に取る。楽だからだ。必ずANAのマイルの貯まるショップで買う。マイルが貯まるからだ。それ以外のお土産を買うことは…マルセイバターサンドを貰った人は確実に「貢物」であると思った方がいい。
もう少しレベルが上がれば、かま栄の蒲鉾であったり水曜どうでしょう&onちゃんグッズになるだろう。
どうも私は「お土産は何々でよろしく」とか「お土産くれ」という人間がいけ好かない。なぜ貴様にお土産をねだられなければならないのだ。こちとら誠意で買っとんのだぞ!などと言っているから、「インスタじゃ僕のとこにコメントきませんよ」などと呟いてみても「キリヲは感じ悪いからだろ」と一蹴されるわけだ。
そんなわけだが、私は私のスタンスが出来上がってるために「お土産もラーメンがいいんだろ、この食のボキャ貧が」などと吐き捨てて家に仙川二郎の麺がポストに投げ入れられるのだ。恐ろしいことにこの後、私は3件のお土産ラーメンを手に入れることになる。
私は当然、冷凍庫の中に凍った富士丸のスープを取り出し、親戚丼を作り上げることになるのである。
こ、
こ、これは!?!?!?
麺を掴んで匂いをひと嗅ぎ…うーむこれは仙川の麺そのものだ。なんかちょっと細い気がするが…これは家用にチューニングされたものかも知れんと思うと、たとえそうでなくても納得してしまう。
製麺をしていなかった頃にはわからなかったが、この新緑の香りに近いものこそオーションっぽさなのだと。
ブタもこのサイズで切れば間違い無く得られる仙川感!!
ヤサイを別皿にすればこの麺を掘り下げる必要がない。ただ、少し寂しさがないかといえば嘘になる。
ズルッとやれば嗚呼…富士丸のスープに負けない力強い麺が最高だ!やっぱ本物の二郎の麺は美味い。アブラもたっぷり残しといて良かったー。
お野菜もスープで浸してアレして食う。そんでもって新しく作った焦がしネギ。
切り立てのフレッシュネギも載せてみればうーん、これぞ家の醍醐味だなぁ。
サクッと完食お片付けして終了。
この頃はまだ体調が良く、夜もまだ眠れていた頃であった。とはいえ就寝できたのは丑三つ時ではあるが。
家ラーメンをやるときに一番気をつけること…それはGの侵入である。
この話はまた後日。