山菜が届いた。
良い後輩を持ったものである。
思えば、彼は私が大学院生最後の年、最年長だというのに性懲りもなくキャンパス内を彷徨き、デカい顔とデカい声(でも通らない)で我が物顔をしていた頃、一緒に幾多もの事件をくぐり抜けてきたあの年の新入生だ。
そんな彼が今年もたらの芽を贈ってくれた。
奴の名はみいちゅうだ。はあちゅうの親戚みたいなもんだと思ってくれたらいい。出会って1ヶ月で「実家からたらの芽が来るから天ぷらしませんか」と18歳の若者たちに誘われた。25歳のおじさんはホイホイ出向いていき、なぜか天ぷらを揚げる係を買って出た。何故だ。何故俺はキッチンを占領する癖がこの頃から抜けないのか。私は当然スターリンを口ずさみながら天ぷらを揚げた。美味いなぁ、なんて言いながら私だけビールを飲んでいた、ことにしておく。
春だなぁ。いつもと違う春だ。
そんな中であっても私はまた今年、そんな思い出をアレしながら重く痛む頭を持ち上げ、天ぷらを揚げた。何故料理をしているときだけ元気なのだろう、とか思いながら。またもや別部屋の住人たちに振る舞った。家二郎と同様に、結局俺の手からフライパンが離れることはなく、微熱と戦いながら衣をサクサクに仕上げていった。
しかしながらその数時間前!!運ばれてきたたらの芽は山形直送ではなかった。別の基地にまとめて郵送されていたのである。
箱の中身を持ってきたのは
マッドサイエンティスト前川コロ助。。。
違う、こ、こいつは!?前川カーティス!!
虚な目をしたお前は俺と同類らしい
I've got the spirit,but lose the feeling
feeling,feeling,feeling,feeling,feeling
(Joy Division "Disorder")
止まらない市川節に嫌気がさした俺はとりあえずまあ昼だし飯でも出してやるか、と。
などと呟いてはまた頭痛の種を増やしたのである。
こ、
こ、これは!?!?!?
飯は器で食わせろ、なんてよく言ったものだが、どうにもこう小さな丼のほうが映えるのは何故だろうか。
やはり人は小高い山が好きなのだ…適度な高さの山が。おっぱいと一緒だ。異論は認めん。
ズルっとやれば嗚呼…やはり前日、前々日よりも落ち着いたスープになったな。ゴロッとしたウデ肉もこれで終わり。
ついでにコロ助の方のも写真上げとこう。
サクッと完食フィニッシュムーブ軽くお片付けして終了。
その後肩ロースを漬け込んでチャーシュー丼を食った。
なんかもう自分の味にマジで飽きたな、と思って俺は散歩で遠出することにしたのである。
たらの芽、美味かった。