フロムムサシノ

エクストリームラーメン専門家

自宅ラーメン 『家二郎ヤサイヌキ』

 

 

 

 

 

 

 

 

えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた。

焦燥と言おうか嫌悪と言おうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

酒を飲んだあとに宿酔があるように、私は午前から夕刻に差し掛かる頃まで宿酔に相当した時期がやって来る。私は重力に屈服し、お布団に服従する。これはちょっといけなかった。結果した神経衰弱、自律神経の失調が物語る。

 

 


これがいけないのではない、といったことはない。大体においていけないのである。どこにも行けない、というレトリックだ。電車に乗るのが怖い。特に私の目の前を走る黄色いやつとオレンジ色のやつ。青いやつと、紫のラインが入ったやつはなんとなく大丈夫な気がしている。もう、ガラガラではあるものの、あんだけ車内をビュンビュンに風が吹き、通勤時間になれば人が増えるところには降り立ちたくないと思う。

 

 

そういうわけだ。

 


以前私を喜ばせていた音楽の力を借りて、私は書を捨てスマートフォンを手に構えて街へ出ることに…は、しなかった。街を見れば人、人、人であり、私はどうしたって西側、南側にしか足が向かなくなった。

 


私は太宰が入水した場所に毎日向かっている。特に意味はなく、ただたんに桜が綺麗だワンとか、これから紫陽花の季節だニャン、とか言いながら風流ぶった想いを胸に抱いている。ロマンチストなのだよ、私は。乙女座の私はセンチメンタリズムな運命を運命を感じずにはいられない。鏡の前で5分ほどそんなことを呟いてから、散歩に出かけることにした。

 

 

 


いつもと違って私は駅のビルヂングに足を踏み入れた。とは言え、そのテナントのうち半分は帳を閉じている。本屋を彷徨き檸檬を据え付けることすら叶わない。なんという有り様か、この禍々しい世の中は。そうして私は鮮魚が並ぶ角に立ち、ため息をついた。息は行き場もなく、マスクに遮られて口腔内を彷徨う。肺を満たしては私に空虚を感じさせることになるのである。

 

 

 

赤く光るブツが私に語りかけたのはその時であった。
脳を過るのは確かに声として認識される情報であった。

 

アテンションプリーズ、プリーズテイクミーアウト。」

 

彼の国の言葉で語りかけたのは、ブラジル生まれの名もなき豚であった。たぶん、ブラジルあたりだ。

 

 


どうしたってシンパシーを感じざるを得ない。私は奴に「悪魔」という名前を授けることにした。

 

 


私はその近くにいた男に聞いた。「この者の背脂と腕肉はありませんか」と。
男曰く「あなたがこの封印されしエグゾディアを完成させるには遠く時間がかかる。まずはこの者の背脂と腕肉を明日の朝、受け取りに来るのです。」と。

 

 

 


そして私はうちのアパートの住人にハンマーを借りた。猟奇的な想いを胸に抱きながら、翌朝私は駅ビルにて背脂1キロと腕肉1キロを回収した。

 

 

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悪魔退治には仲間の協力が必要だ。ハンマーを与えし元アフロの男に話をつけに行くと「とりあえず明日でいいわ」なんて言いやがるのである。

 

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再びため息をついた私。もういい、一人で戦う。

 

 

 

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その吐息にはニンニクの香りが乗り、歯ブラシを咥えたまま中央線を眺めることになったのである。
走り出せ。

 

 

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こ、こ、
こ、これは!?!?!?

 

 

 

 

 

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2020家二郎プロトタイプ…私はそのスープの出来具合にガッツポーズを余儀なくされた。

 

 

 

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こんなスープにもやしをのせるなんて、俺にはできないよ。そう呟きながら俺はネギを刻んだ。

 

 

 

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ズルッとやれば嗚呼…美味い、美味いけど何かが足りない。矢張りエグゾディアの完成はまだ先だ。俺はシンクロ召喚をキメてスターダストラーメンを召喚したのであった。
嗚呼腕肉よ、、、どうしてあなたはそんなに縮んでしまうのか。美味しいのに。

 

 

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私は庭で育てた豚から肩ロース肉を採取し、追加で煮込むことにしたのであった。
サクッと完食フィニッシュムーブお片付けしてお昼寝!

 

 

 

元アフロ野郎から「明日の夜ならいける」とか言われたので、同じ建物内に住む小娘にも声をかけておいた。

 

 


私は忖度なく美味いまずいを言う連中を相手にしなければならないとは…などと呟きながら、人が消えることのない井の頭公園を下って行った。