「普通」って何なんだよ
お前の言う普通って何なんだ
って言い続けたら女の子から嫌われます。女性の場合は男からも嫌われます。先方の言い分としては主に「屁理屈!」です。
屁理屈…なんて最悪な響きなんだろうか…
そんなつもりもないのに自分の行動、感情を簡潔に説明したはずが「くどい」「言い訳じみている」などと言われ続けて早20年ほど。くすんだ人生を送ってきたものだと思わされる。
そしてそれだ。普通って何なんだろうか。思うにこれには「一般的な感覚で」という意味が含まれていると思われる。たとえば「普通の小で」と言えば「あなたの店の小ラーメンの基本的なサイズ」という意味で捉えることができる。
しかしだ。それも認知の問題で、人の記憶と思考にはバグが起こりうる。自分の趣向を普遍的で当たり前のものだと思い込むのは浅はかである。「普通」と考えていたものが覆される危険性というものを常に抱きしめておかないと、自分の信じていたものはあっという間に転覆する。
「大ラーメン豚入り」と考えていたものが「大ラーメン豚ダブル」のレベルで提供されることもあれば、「麺増し」レベルとなって目の前に現れることもある。
「麺少なめ」と言っても全く減らず「店主が少なめと言えば少なめ」という魔法にかかることもある。この魔法にかかるにはしばらくの時間がかかる。あまり過度な期待もしてはならない。
しかしながら、これがコールの話になると別だ。
コールで「普通で」と言えば皆様、何を期待しているのだろうか。
あえてここで「普通」という言葉を使わずに語るなら、
ニンニクは「入れる」と「入れない」の二択だ。
あなたの「普通で」にはどちらの意味が含まれているのだろうか。
関西やその他地方じゃ「普通で」と伝えたら「ニンニク入り」を示していることが多いらしい。なんという強権だろうか、と思う。そもそもラーメン二郎というのはホスピタリティの塊のような店で、わざわざニンニクを無理やり食わせようという魂胆はないはずである。
それにも関わらず「普通で」が
「ニンニク入り」にあたるなどと言えば
それは
ニンニクハラスメント
にあたる。
「入れる」「入れない」くらいは自分で判断したまえ、と私は述べておきたい。ただし某ヒバリーヒルズの店主は「ニンニク入れたほうが美味しいよー」という愛あるお節介をブチカマしてくれるので、そういう場合は服従するべきである。
ま、スープの材料としてニンニクは入ってんだけどさ。
しかしながら私も曖昧なコールをしていることに気づく。
「全部」って一体どういう意味だよ、と。
こ、
こ、これは!?!?!?
確かにだ。人生においては『選択肢』の多さが頭を悩ませることはしばしばある。
呪文のようなコールが横行していればそれも普通で、と言いたくなることがあると思う。
全部で。うーむ。ほぐし豚AZMS!!
私はこの度新たな荻窪店の楽しみ方を覚えた。ラー油とごまだれのマリアージュである。
なんて美味しい温野菜サラダだろうか…
私はこれを食うために荻窪に通っているようなもんだなといつも思わされる。
麺掘り返してズルっとやれば嗚呼…美味え。本当に安定して美味い。
最近色々な方から「今の荻窪は美味いのか」と聞かれるが、はっきり言って私は変わっていないと思う。そんな中にも細やかな配慮とマイナーチェンジがあり、私は100%満足のいくような一杯に毎回出会えている気がする。
こういう語り口がうるせえんだよな。黙って食えよってな。
豚さん広げてみればまあ立派なブツ。これぞ荻窪らしさだな、とすら感じる個性がある。
最後は久々にラー油直ぶっかけで堪能した。
サクッと完食フィニッシュムーブ軽く会釈して退店。
コロ助と別れて吉祥寺までの道のりを歩く。俺にとって一番重要な散歩道だ。
Hazy shade of winterに漂うニンニク臭は男のフレグランスである。
普通に内臓脂肪を落としたい