当たり前だが冬は寒い
暖冬だろうがなんだろうが寒いもんは寒い。
雪国では深刻な「雪不足」などと言われている。
果たして、雪とは障害ではなかったのか。
交通を妨げ、有象無象の行手を阻む爆弾のようなものだと思っていた私がいる。雪のおかげで何度、飛行機が羽田に引き返したかわからない。どうやら新千歳よりも旭川の方が空港の除雪機能は高いと聞くが、そこからまた高速バスで3時間近く、下手すりゃ運休なんて言われちゃたまったもんじゃない。
深刻な雪不足によって引き起こされるのはスキー場のコンディション悪化ならびに雪まつりの雪像づくり問題だ。今頃千歳の自衛隊は雪集めのため必死となっているに違いない。
当たり前だが冬は寒い。
北海道にいる頃、家の中で風が吹いたことなどなかった。
しかしながら沖縄にいる頃から、俺の部屋には風が吹いていた。窓を施錠してもその風が止むことはなかった。北側に設置された玄関の扉はひたすら結露し、ガンガンにカビていったあの部屋のことを俺は思い出す。那覇のめっちゃ西日がさす家に引っ越した後は本当に快適だった。風も吹かなかったし、ベランダのプランターが熱で死ぬくらいの西日は最高だったと思う。
そして今の東京の家…ここもまた風が吹いた。
うちのアパートは謎の紹介制が成り立っており、既に私が招待した人間は4人となった。しかも招待関係者は何故か交流がある。こういうところに長屋感があって非常に良いのだが、私より後に入った連中の部屋の窓は二重になっていった。
その内窓に手をやると…我が部屋の窓から感じられる冷気が一切漂わない。素晴らしい…私は地元のことを思い出した。昨今の北海道の住宅事情といえば、なかなか二重窓も減ってきたようだ。これは科学の進歩と人類の勝利であり、多少厚みのある窓であっても二重にする必要がなくなったのは素晴らしいことだ。
だがしかしどうだ。築30年のこのアパートにはやはり内窓が必要だった。優しい大家夫婦は快くその要望を受けとめてくれ、はれて先週の月曜に工事が終わった。
その日から、寝ている私の左半身に感じていた冷気が一切漂わなくなったのである。
喜びを感じた私はそんな暇もなく家を飛び出し所用を済ませに病院へ向かった。診断書確保のためにである。診断書発行のために病院に居座るのは非常に危険だ。だってウイルスだらけだからね。そう思っていてもどうしたって私は体内に抗体を持ったわけだからそんなことを気にもせず。
だけどもこの待ち時間だ。書類一枚作るのに90分。何分待たせるんだこの野郎と言うのは簡単だけども俺はそんなことしない。
だって俺
チャーシュー切れは想定の範囲内だからね!
こ、
こ、これは!?!?!?
そういえば初めて食ったのもちょうど1年くらい前か。
なんか久々にきたから大盛りに小ライスまでつけちゃってさ…やっちまったよヤンチャだねえとか勝手にぶつぶつ言いながらサ…
よく混ぜながら持ち上げズルッとやれば嗚呼…この油分しょっぱさ、ガツン()と来る感じがまあその辺のアレにはねえよな。
ってまあさ。やっぱ何よりもエクストリームなのはこの量だよね。
そそくさとネギは沈め、潰れない卵黄に恋をする。
俺、スープに口づけしてLet's get to be so fine...
ラー油ぶっかけお酢も入れればほぼ方程式は解けたようなもの。しかしライス多いわ…完全に見誤った。最後醤油ちょい足しでご飯のおかず量産完了。
サクッと完食お会計して軽く会釈して退店。
その日の夜。俺はエアコンもつけずオイルヒーターのみで幸せになれた。
俺の身体もきっとライス分のカロリーを燃やしてたはず。
燃やしてた…はず…