「キリヲさん、よく誕生日を迎えますよね」
金言であった。
厚かましい自覚はあるのだ。ある。なんてったって私は厚かましさそのものが足生やして歩いているような人間であり、なんてったってアイドルである。
お嬢様じゃない私ただのミーハー!などと言いたくなることも多々あるわけで、友だちが森高千里のコンサート()に行ったと聞くだけで嫉妬してしまった私はミーハーである。
みーちゃんはーちゃんとか言いつつ俺、行く店は固定する自称硬派。言わせる人間によれば「能がない」らしいが、はっきり言って「れっきとしたホーム」を持たない二郎好きの方が浮気性臭くてキモくね?とか思ってしまう。全店舗制覇って大事?蒲田?行かね!などと今のうちにフラグを立てておくが、そんな私を!いつも否定してからかってくれる社長がなんと誕生日なんですか?飯でも食いに行きませんか?などと言うようじゃ断りようがないってやつ。
ところで。私のホームは今いずこへ。
しかしその時間も昼であった。我々二人はUDX横からタイムアタック敢行。偶然ですが火曜はお休みです!のトンカツ屋ではなく、およそ2年の間我々が根城にしていた浅草橋へ向かった。
社長は当然私に「探し物はなんですか 見つけにくいものですか」なども言いながら紙幣にライターを押し当て、外からの日が差し込む店内にて林SPF最後のアブラに火をつけたのであった。
台風の影響は計り知れないようだ。我々の生活もいつ脅かされるかわからん。
こ、これは!?!?!?
檍になってから導入された肩ロースをオーダー。当然ご馳走様ですと!向かいに座った髭面はお子ちゃまなのでカツカレーを頼んでいた。
初めて頼んだ茎わさび…いい感じじゃねえか。
真ん中のブツを1枚とればいい赤さだ。そして肩ロースらしいゴツゴツした姿がなんと唆ることだろうか。私は肉を食いにきたのだ。
当然初手は茎わさびと醤油の合体攻撃でジ・エンドってやつだ!ウマスギィ!!ハッピーバースデー俺!ディナーを前にしてこんな贅沢していいのかね!?脂身うめえ…今度あっちでも肩ロースだな。
お次は辛子のっけてソース。ぶっちゃけ肩ロース、ソースが一番うまい。そしてすこし、すこしだけだがソースがゆるい。
最後は髭のカレールーにトンカツドボンブチカマし堪能した!
うーむ脂身たっぷりのカツカレー、久々にフルサイズで食いたいもんだわ。
サクッと完食軽く会釈して退店。
ダッシュで秋葉原とんぼ返りキメて働くも、気力湧かずとはこのことか。
必要最低限のことしかできなかったのは言うまでもない。
そして俺は腹が減らない状態で秋葉原を出たのであった。