現代 冷凍都市に住む 妄想人類諸君に告ぐ
Kいう名の豚野郎は 新宿三丁目にたどり着く前にくたばった。
確かに場所は新宿だった。吉原でもなく三号線を狂う目から可愛しいへ向かう道中でもなかった。
街角からすでにその匂いは漂っていたが、その地下闘技場はもう軋轢まくっていた。圧迫される夢と夢。俺の目の前には柵。監獄のように思えるその景色の先には「自由」と「地獄の自我」があった。
俺は柵の上から手を伸ばして掴もうとした。当然ながらそれは自由ではなく、ノスタルジーに引き出された若き日の俺のアーバンなギターだった。
俺は「さよなら」と呟き、ジャズマスター17フレットの咆哮に、世紀末にのっかった女の子を見た。
熱病におかされた
それでも俺は笑い合う それでも俺らは信じ合う
うなされるような時間は刻々と刻まれて進んでいった。モズライトのベースに張られた弦、おそらく電気ベースの歴史で最も揺れた弦であろう。俺はその振動に脳まで揺さぶられて記憶喪失になった。
帰路をどう刻んでいったのか、想像もつかん。
EIGHT BEATER 吉祥寺STYLE
ダイヤ街を練り歩き「ナンバガどうだった?」と聞かれる17歳の俺がいたが、どうやらたいそうニヤついていたらしい。
照らされるニンニクは
酸化した緑色だったかな?
こ、これは!?!?!?
記憶探しの旅ばかり しかしいつしかそれも妄想に変わる。
俺はこの締めラーメンも妄想として捉えようとした。とりあえず持ち上げた麺に語りかけ、啜り、嗚呼と言いながら嘘っぽく笑った。
あのラーメンを今食べている
忘れていた 君の味と輪郭を
ちょっと思い出したりしてみた。
俺の紅色革命は桃色作戦でキラキラ光ってた。
俺は「暑い」と笑いながら夏だった。
サクッと完食フィニッシュムーブ軽く会釈して退店。
その後は自宅リビングで煙を噛み締めた。
眠らずに朝が来て ふらつきながら女衒が暗躍する苗場の中へきえていった。
もうそんな季節 終わりの季節
俺は眼鏡をSkillkillsサングラスにかけ直した。
俺酩酊の限りを尽くす