悪魔に魂を売る
という行為が、人生にゆとりとハリを与える可能性について。あなたは考えたことがあるだろうか。
人生において重要なことというのは人それぞれあり、趣味、恋人、家族など。そういったものに対する想いが、脳の血流を促進させ、幸福感をもたらす分泌物によって人生を安定させるのである。
だが、人の幸福とはそんなに一辺倒なものではない。人が考え出した神、人が考え出した道理、人が生み出した狂乱を背もたれとして身体を預ければ、心に安堵の時を得られることになる。もしくは信仰が人を狂乱に陥らせることになるのである。
はっきりいってこれは「金儲け」にも同じことを言える。だが俺にはあまりそこまでそこに信仰は持てないのだ。
やっぱり俺が信じたいのはこの悪魔である。
たまんねえぜ。
北千住の尊師も小岩の大将も、先週くらいからずっと13日の金曜日13日の金曜日とブツブツ言ってたのだが、どうもそれは俺に呼応していたものだったのかもしれない。
先週の日曜日、血濡れた日曜日はこれを聞き出すためだけに四谷三丁目まで来たといっても過言ではなかった。そして、土曜の出勤を快く受け入れたのも、この午後休のためだけだったかもしれない。結果として仕事もいい流れになったとは思う。
13時半に到着し、死んだはずの尊師と合流して並びに接続すれば、家元が出て来て「君たちくらいからスープの量が怪しい」
とか言い始めて戦々恐々。
「てめーが午前休にしなかったからいけねーんだろ氏ね!」とか言われて涙を流した。
俺は震えながら氷結を飲む手が…震えが止まっていった。
入店すれば悪魔肉切れはまあ想定の範囲内。ライス案件必至!とかいってる尊師をまーまーと宥めた。サイズだけ伝えて大人しくおすわりしつつ、
先にライスをふりかけで食べる我々は、
早弁する高校生の如く我慢の効かない大人であった。
こ、
これは!?!?!!
やはり悪魔肉がないのは寂しい…と思うが、麺とスープが眼前に広がってる姿は悪くない。
レンゲで一口すすれば嗚呼、この煮詰まり感…これはもう、この時間しか味わえないもったり感だ。
ずるっとやれば硬めの麺が、ゴリっとした大悪魔スープを口の中に運ぶ。これは甘美にも感じるがやはり悪魔の味わい、契りを交わす生き血を啜る気分だ。
震えるぞハート 燃え尽きるほどヒート
とか言いつつ俺はハートビートの高まりと爪先のビンビン感を堪能。
完全に当たり日の引きの様相を呈した大量のカエシぶっかけて叫んだ。
おれは人間をやめるぞー!ジョジョーーッ!!
そうして楽しんでいるうちに家元からカス悪魔肉の提供AZMS!!限定コジキやっててよかった!!
ヒモまで入れてもらえて大感謝!!
ツケダマでTKGまで堪能してあっという間の時間だった。
当然KKブチカマしフィニッシュムーブ深々と会釈ししっかりiPhoneを置きっぱなしにして退店即再入店して女将さんに叱られ退店!!
その後「予定がある」とか言って髭に別れを告げたが、彼は
「暇人のくせにwww予定とかwww」とか吐き捨てて寂しそうに
「3のつく日はバカになる」とか言いながら四谷三丁目の奥地に消えていった。
髭に隠れた鼻毛を風になびかせて、いた。