珍獣は檻の中から世界を見ていた。 檻の中は世界ではない。そう言いたげな目をしていた。 4畳半のスペースには、置かれたものもない。置いているものもない。ただ、漂う空気が虚しく、カビ臭さと埃っぽさを纏いながら鼻先を流れていく。 水を運ぶ人がいる。…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。