「アタシとお酒飲まない?」
は、はあああああああああああああいいいいいいいいいいいいいいい
ちょろい男とは私のことである。
精神が童貞であり、某シーシャ屋の常連女性からも「お前はもう死んでいる」などと吐き捨てられてはいじけている私にしてみれば、女性からの誘いなんていうのは最早下手なクリスマスプレゼントよりも嬉しいものである。
しかしながらナンバーガールのライブのチケットとデート権のどっちを取るか、と言われれば私は迷わずナンバーガールを取るような男だろうから多分ダメなんだろうなー、アー、なんだかもう俺の人生もー、と思っている。
私は本当にフットワークが軽い。フットワークが軽いからこそのなんというかその時その時のターニングポイントを見逃してきている気がしてきた。
女性を誘うことに関してはぶっちゃけドッキドキしながらも、心の中にいる浮浪雲が
「おねえちゃんアチキと遊ばない?って言えばいいだけでやんす」
なんて言ってくれるからこそ私は芝の浜で50両を拾うような気持ちを抱きながら私はアレしている。
あーっはっはっは!
って笑いてえもんだな!俺も!!
そうして日々のシコリティオブライフ(SOL)を充実させるだけの日々だ。身体を鍛えたところで「あなたの大きな背中が好き」とか言ってくれる女性に出会えるとは限らない。
私はジムに行く道具を鞄の中に詰めたまま日比谷線に飛び乗った。
行き先は二つ考えついた。どちらも西新井だ。女と会う前にゃ気合を入れなければいけねえ!なんて思っているのがもう間違いで、駅前の松屋でカレーかシュクメルリでもぶち込んでいればいいものの、そんなことは思いつかず私は日比谷線を揺られた。
私の目の前に流れてきた文字は「南千住」であった。私は猛烈に揺られた。私の頭の中にいた浮浪雲はいつのまにか牛魔王に替わっており、非常に冷える寒空の下、人気のない南千住駅前の通りを歩くことになったのである。
よくよく調べたらここはかの「マリファナラーメン魁」があった場所らしい。
こ、
こ、これは!?!?!?
今はなき末広町がんこを継承したと言われるシソ風味の塩を選ばざるを得なかった。誰もいない店内が不安になったが、それはその後、さらに強い苦しみを生むことになる。
レンゲで一口啜れば…お、おう…美味いのに客入ってねえってどういうことだよ。
ズルっとやれば嗚呼…ガツン()と来る塩っ気と確かなボディ…こ、これは確かにがんこの塩だ。ぶっちゃけ覆麺や大阪のがんこで食った塩よりハードな口当たりだ。美味えだろフツーに…ただし麺はもうちょい硬めが良かったな。
薄く切られたチャーシューも確かにがんこの雰囲気だ。俺ここ好きかも知れん…頼むから潰れないでくれ…
満足した。こってり食いに来よう。
サクッと完食軽くお会計そして美味しかったと確かに伝え退店。
歩いて北千住へ。髭の店でチルしつつ女に会いに行った。
相手は当然ただの友達、スナックの臨時ママである。サザン歌って飲んで帰った。
営業だったのである。