去年の今頃って何をしていたんだろう
ふとそう思うことがある。
年末になれば尚更だ。
一年前のことなどすっかり思い出せない。忙しい。毎年毎年同じような生活を送っているかと言えば全くそんなことはなく、私は常に成長し、自己実現に向かって自分の人生を勤め上げ、社会に貢献し、道で迷っている老若男女を助け、クリスマスの夜には素敵なディナーとモエシャンドンで素敵な女性にプレゼントを贈る。
意識の高い男なのだ。
と思って前日、ふとInstagramやTwitterにおける昨年の投稿を確認してみたがまあ当然の如くラーメンを食い、煙を吸い、厭世感情に塗れた投稿を連発していた。私の傍には女性がいなかった。
モエシャンドンではなく黒ラベルだったが、発泡酒でなかっただけマシか。
私は何も変わってなかったのだ。
もうすこし遡ってみれば、12/23には小金井の二郎に行っていたらしい。事前に閉店の知らせを入手していたため、それはそれはスムーズに行列へ接続。鍋前に座って手をぼきぼき言わせさらにはストレッチをしていたところ、
「なに気合入れちゃってんだよ」などとあの方に言われた。
そう、俺はその時から確実に恐怖で怯えていた。そのほかにも厨房から謎の声がすること多々ありではあったものの、あの長身からかけられる声ほど怖いものはないと思っていた。
一年経ち…私はまたその声を聞きに行った。恐怖で震えながら私は、連日の痛飲痛食で過酷にいじめ抜いた胃腸をさすりながら店前についてみれば大行列。流石。
この日の私は十分な変装をし、最近あまり被らなかったワークキャップを被っていた。見つかりたくなかった。見つかりたくなかったのにも関わらず、行列が進み、ちょうど店の前に立つことになったその時…目があってしまった。なんかめっちゃニヤついてたのである。
席に座る前から熾烈な攻防戦は始まっていたが、席に座った瞬間に
「今何人と付き合ってんの?」「ブラジル人と付き合ってたらしいじゃん」
などという完全読者宣言(ただし誤解あり)にも関わらず「知らね」の一点張りだし、「山口くん元気?」という僕が#知らない人 の名前を言うし、なんかもう祭り過ぎてテンション上がっちゃったけど、俺は言ったね。
「550gでお願いします」と。
こ、
こ、これは!?!?!?
通じた…日本語通じた!これは550gくらいだ…
やっぱり店主いい人だ!などと思っていれば小声で
「…足りなかったら言ってね」
ってそのジョークマジで笑えないぜ!
美しき非乳化汁じゃないっすか。どうしたらこんなにきれいな感じになるのだろう。
ズルッとやれば嗚呼アッツゥイ!アッツ!!アッツ!!
なんつー温度やこのブツ。ゆっくりじっくり茹でられたのか若干やわ目でアチアチ()。
そしてこれがうめえんだ。非乳化最高峰とか言われ始めてるのはあながち嘘でない。
しかしなぜ…上野毛のバイブスに到達したのだろうか。俺の個人的見解だがこれは麺太めな上野毛っぽさである。
好きだ…
豚も立派で赤みがさした素敵なブツ。
唐辛子ぶっかけりゃ完璧だ!ここんちの唐辛子、味噌っ子の卓上のと似てて良い感じである。
食い終わりにも「足りなかったら言って」とか聞こえてきたが「足りないわけないじゃん…」って恥ずかしげに伝えたの、伝わっただろうか。
大満足完食フィニッシュムーブ軽く暮れの元気なご挨拶して退店。
店を出たら何故か変な筋トレダイエット野郎に遭遇するし。
そのあと渋谷で痛飲するし。
とんでもない年の瀬だ。