ひと夏の幻想が終わりを告げ
私の目には現実が映り始めた。
早すぎる北海道の夏はすでに初秋の青空のもとに時間が流れており、私は、ただそれに流されて生きていくことはどれだけ難しいことなのだろうかと自問を繰り返している。
八月の空はとてもきびしくて 突き刺す日差しで君を見失い 迷路に入り込む
気持ちを失いそうになるのはもう少し先のことだった。ただただあの時の私は未だ夢うつつ、といった感じであり、空港のタラップで湿度を感じ、電車の冷えっぷりを味わってようやく私は目が覚めそうだった。
もはやここが家のような街なのだ。
次の角を曲がると あの角にたどり着く あの角にたどり着く 頼んでないのに 真っ白たどり着く君の後を追いかけ 無心に走る 全てを今 捨てなきゃいけないの
故郷を捨てた男を取り巻くいつも通りのパープルヘイズ。
煙に巻かれて私は恍惚と、そうそのただただ合法の煙に身を任せながら、どんどんと現実に戻りつつも「仕事」という言葉を忘れんとし「二郎」という言葉を思い出し始めた俺は無敵だ。
俺の憧れ アラスカ帰りのチェインソー
呟いて一言、たどり着いた先は真っ黒であった。
こ、
こ、これは!?!?!?
久々の元100kgの男イシジマとのランデブーは当然ながら「我々」のホームであった。個人的なホームは違うが、「我々」となるとやはりここがホーム。
「暑さに慣れなきゃいけないのでちょうどいいんじゃないですか」なんて言われて行く気になった俺のチョロさよ。
マジで箸をつける場所がねえぜ。スーパーXかよ。
アブラでヤサイを食い、ようやく見つけた隙間から麺持ち上げてズルッとやれば嗚呼…二郎だわ。二郎だ。この完璧なまでの仙川っぷりが本当やめられん。
がっつり液アブラにお醤油…今回はお醤油味ありました。
グルっぽさもあって完璧です。
やっぱここんちの一味は最高です。
しかしながらこのブタども…お前らマジでこの、ガチガチのセメントブタで来やがって…流石にこれは泣くぞ。こんなん食わされたら。BPぶっかけつつ麺も堪能したがダメージたっぷりだ。
流石だぜ仙川店。勝てねえな。
大満足腹パン完食フィニッシュムーブ軽く会釈して退店。
帰りは久々に吉祥寺まで歩いて帰宅。
俺は東京、の、ど田舎の空気を味わう楽しみを知っている。
知ってるか。8月って31日もあるんだぜ。
(bloodthirsty butchers 「八月」)