午前様で昼過ぎに起きた朝ほど空虚なものはない。
ましてや予定がなくなったのならなおさらであった。
帰宅した頃には親もすっかり活動し、母は仕事に出かけんとしていた。親父も何をしていたのかわからない。
虚しい。
布団にくるまりながらグダグダしているうちに俺の腹は減ってきた。12時に起床し、家にいた親父に「飯どうするんだ」と聞かれ、「ラーメン食いたい」と即答していた自分に嫌気がさす。
胃の中に入った山岡家、アレはどこに消えたのだろうか。胃の中にないところを見ると、身体の隅々まで行き渡って脂肪となったのだろう。
虚しい。
私は真の意味で「ハスラー」になった。そう、ハスリングをブチカマす国道5号の風になったのである。
親父調査で「ここは間違いない」と提示された店は3つ。そのうち一つは訪問済み。
となればまあ車で行きやすいところがいいな、というのは当然そう思うわけで。あともう一つ。家族連ればっかりじゃない方がいい、というのもある。
どんどん気分が盛り上がってはしぼんでいく。私はカーステでラジオを楽しんでは何か、台風情報に怒りと悲しみを感じつつも店前に着いたところで
「醤油と味噌どっちにしよう」としか考えられなくなるのである。
こ、これは!?!?!?
完全に、そう完全に俺の予感は的中したと言っても過言ではない。このブツ、グラム5,500はくだらない。
油膜の感じが、蓄熱性の高さを一瞬にして俺の脳に分からせてくれる。
一口啜ればアアッ!これだよこれ!!俺の求めていたフェス飯大会開始!!
どんなラーメンブースでも食えない純度100パーの北海道産お醤油ラーメンここにありだ。
ついでにライスは嬉しいそぼろ肉つき!そんなことどこにも書いてなかったジャーン。甘めに味付けされたそぼろ肉は味噌ラーメンにブチ混んで楽しむのもいいブツだ。こんなもんまで食わされてたまんねーわ。小樽築港赤れんがステージのフードコーナー最高だな。
そしてこれは珍しいな。生姜パウダー。当然ぶっかけて堪能したが、変な甘味まで出ちゃって適量推奨だわこれは。
サクッと完食お会計して退店。
帰宅せずにライジングの会場に行き、駐車場に止めて入場ゲート付近まで行けば…野営しようとしている連中たくさんいた。
アホだ。
などと思いながら帰宅して生ハムを肴にビールをしこたま飲み、結局寝たのは1時すぎていた。
遠足の前のあの感じ