「お腹いっぱい」という感情
それは確かに、確かに存在する。
人間はたらふくご飯を食べてお腹いっぱいだ、などと言いながら己の内臓を愛でることをやめない。これ、野生を失い、危機管理能力をどこかに置いてきた結果だろう。お腹いっぱいになれば眠気を感じ、お布団が一番の恋人になって仕舞う。
それは幸せな時間でありながらも、どこか己のパフォーマンスを半減させて仕舞うのではないか。
32歳と7ヶ月にもなって、そんなことに気がついたのだ。
私は麺屋永太でそのとても美味しいつけ汁に合う最高の麺を、あえて350グラムで食べた。横で食っていた髭は400gのラーメンを食い、「昼寝してから店に立ちますわ」と言って私と別れた。
私は赤羽でシーシャを吸っている最中に某ラヲタから連絡を受け、
「FF13のやりすぎで腹が減ったから大盛り500だな」
とかいう妄言をスルーした。少食な彼が500gを食うなんて、まるで信用していなかったのである。
私は彼らの満腹を心底、恨めしく思った。
脳内で鳴るUWFのテーマ
ジャー ジャー ジャーーーン
PRIDEブーム世代の私は田村潔司の気持ちで走った。北本通りへ走った。
時刻は16時28分!外待ちベンチ確保は約束された!!ものとばかり…思って…いたのだ…
ガチ勢にしてみれば約2時間前集合は最早当たり前なのだ。
その後も続々と増えていくガチ勢、17時くらいからぞろぞろと現れるSUSURUキッズ。こいつら…などと思いながら私はキン肉マンを読みながら、あえてそうこの場所でキン肉マンを読みながら待った。
神谷を離れた皆は知っているのだろうか。
18時には開店するこの店の現状を。
とはいえ一巡目入店が終わっても私は北本通り側ベンチであった…ちょくちょく店主と目が合うポジションでアタルとスグルの兄弟愛を感じ取っていれば、ある感情が生まれた。
腹が 減った
俺の名は井之頭キリヲだ。
当然大盛りのボタンをポチ、っとな、、、という妄想をしながら私は富士丸ラーメンと生玉子、アブラの食券だけを買い入店。
即着席カウンターエアコン前。
トイレに向かう人々の背中がバチバチにぶち当たるポジション…悪くないんだけどここ、暗いんだよな…
なんて思いながら厨房ガン見しつつ私はドキドキのひと時を過ごしたのである。
こ、こ、これは!?!?!?
に、ニンニク多めで別皿用意が必要ないほどの量
久々のヤサイチョイマシ…に、ブタさんはいつものサイズで大きめのスジ肉たっぷりの感じ最高じゃないか…
わざわざ待って正解だったわ。
アブラ到着前に天地返して富士丸ミストを顔面に浴びれば昇天。一口食えばもう完全にイキ顔。美味すぎる…美味すぎるんだ…
アブラ来ないなー、と思い厨房を見ていれば何故か鍋に麺をブチ混む店主…あれもう次ロット!?
などと思っていた私が目の前にしたのは、15秒で麺上げをしてお椀2個に麺をブチ込む店主。アブラぶっかけて私の目の前にゴトリ…
こ、、、、、これは!?!?!?
何スカこれ!?と問えば「粉落とし。俺の賄い飯!」
と満面の笑みを浮かべる店主AZMS!!
何事かと思って一口食ってみれば、硬めを通り越したブツにアブラ和えられてうめええええ!と思ったがこれ硬すぎるだろ…
こんなブツ食ってるんすか!?と聞けば「時間ない時に搔っ食らうんだよ」とのことだが…吉田店主、どんな胃腸の強さしてんだ…
長くなったがまずラーメンの方を堪能。生玉子解いて麺ブチ込めばアー、食いたかったんだよ…このブツ。そして粉落としの方も生玉子の方にぶっかけた。
硬さが和らいだ気がしたよ。ちょっと。ちょっとね。
大きめのブタさんは当然麺のおかず。
ゆっくりじっくりショッパブタ堪能しつつもチョイと残った粉落としを全部丼の底に沈め、ヤサイによって若干薄くなったスープにアブラ分と麺を追加しひさびさにゴマぶっかけて食った。完全に腹パンコースだったな…
サクッと完食深々と会釈して退店!!
帰りの道は完全に高田延彦の気持ちで歩いた。俺はTraining Montageを口ずさみながらその腹のウェイトを抱えて歩いた。
帰宅しリビングでくつろいでいたら、 GW最後に悪ノリを極めんとした男たちに拉致される結果となったのである。
GW分の投稿、あと2。
続く。