北海道生まれオホーツク育ち 豊富な海の幸ほぼ制覇済み
とか言うものの。何度も口を酸っぱく、口角に泡を立てては喉が枯れるほどに言ってきたことだが、幼少から18歳に至るまで、毛蟹や生牡蠣が食卓に並ぶ日でも
「ケンタッキーが食べたい」と言い続けてきた男だ。
ぶっちゃけた話…俺のマインドを変えたのは雲丹だけであった。あとは毛蟹の蟹味噌。
雲丹はちゃんと食べたその日からもう雲丹しか見えなくなったし、蟹味噌もマジでもう至高の食い物だ。身はいらねえと未だに言い続けている。
何と贅沢な人間なのだろう、とよく罵られるが、好みがあるんだからこればかりは仕方ない。アサリの味噌汁は好きだがアサリの身は好きではない。
ましてはホタテなんかは貝柱しか好きではなく、肝や耳(ヒモ)の部分なんか死んでも口にしたくないほど嫌いである。
大人になってから食えるようになったものといえば、牡蠣。牡蠣は美味しい。ただし美味しい牡蠣に限る。これは完全に道民プライドの成すところだが、広島の牡蠣を見ても全然プリッとしている感じがなくて惹かれない。
海のミルク言うところの旨味とはあの腹の部分の肥えが重要であり、あれこそ旨味、エキスの袋詰め、肉で言うところのサシの入った極上のブツと同じくらい惹かれるところがあるものである。オホーツクの中流家庭で育って仕舞うとこんなに生意気なガキに仕上がるのである。
矢張り海の幸よりも肉だ。未だにそんな人間です、私は。
そんな人間だからこそ、イキのいいセイコガニ10キロをぶち込んだスープには何の抵抗もなく惹かれることができる。生で食えばもっと堪能できるものをなどと言う価値観は最早完全に捨てた。あの巨大寸胴にブチこまれ煮込まれ旨味と香りの移りしスープ…身を食っても楽しめない俺としてはこれこそが最高の楽しみだ。
未だ鼻の効かない私でも、杉大門通りを歩いているうちに流れてくるシゲキ的なオイニーには白旗をあげるしかない。
完全に並び少なめで今日は勝ち試合だとか思っていたのが間違いだった。着いてみれば並び40弱…長い戦いを覚悟していたが、結果として1時間半の待ちでフィニッシュ。
入店と同時に大盛りか!と聞かれれば後続のお客への配慮を込めて麺だけ大盛り。レンゲ一杯分でもスープを浮かせたいと思うのが俺の流儀。
こ、こ、、、
こ、これは!?!?!?!?!?
手に取った瞬間にもうビリっと来て仕舞った。具が少ないから100円引き、とか言っといてこの量だものな…フツーに考えたらありえないコスパのブツである。
ズズッとスープをヤレば思わず声が出て仕舞った。
思わず声シリーズの極まる店は矢張りここである。サイパンにしたのがもったいなくなるくらい写真を撮ってしまいがちだが、一口啜ればそんなことも全く気にならなくなるほどの硬め。
スープをがっつり掴んで離さない。
なんだこれ 今年最高のブツじゃねえか
そう思わされるほどの濃厚カニ汁だ。確実に今年一のブツ。半端ねえ。
くしゃみしながら食ってたら女将に心配されてキッチンペーパーを渡されるのも慣れたもんである。
風邪であることを告白すると、隣に座っていたお客さんに
「がんこを食えば治りますよ」
なんて言われてしまい、みんなそういうマインドなんだよなぁ、とホッコリ。
生玉子にレンゲ一杯のカエシぶっかけてディップすれば、カニなんか感じなくなるほどのカエシ遊戯まで堪能。
底からまたゴロゴロの肉片…女将は俺の母親並みの愛情をくれるぜ、まったく。
最大限のAZMS!!
サクッと完食当然KK完飲制倶楽部ブチカマしフィニッシュムーブ明日おいくらでやるんすか?の問いかけに
「悩ましい…最低でも2,000円です!(太゛郎!!)」とご回答受け取り退店!!
海亀ラーメン…2,000円…その価値を俺は噛み締めたい。
めっちゃニンニクくさい口で。
明日からマジでハードラーメンライフ