私はファズが好きである。
またよくわからない話をし始めたな、と思われがちな状況に陥っている。だがしかし、今になって飲み込むわけにもいかず、私はファズを踏んだままフィードバックの嵐を止めることはできない。
食を軽んじる者にファズを踏む資格はない。
この名言が心に突き刺さった昼下がり。俺は当然ながらその歪みの奥にある深みを感じ取るため、井の頭線に乗って渋谷に向かった。
待っていたのは青春の音だった。青春のサウンド、というには遥かに進化したART-SCHOOLがそこにいた。懐かしの曲も進化するものだ、と、ART-SCHOOLを見るたびにいつも思う。リッキーの詞、そして不安定な歌が生み出す儚さだけがあの頃と何も変わっちゃいなかった。青春時代に戻ったような気分であった。
そして
ピザでも食ってろ豚野郎と叫ぶ高田馬場軍団SuiseiNoBoAz。
彼らのファズサウンド、そしてエコーを初めて味わった。食を軽んじないファズギターがそこにあった。
BIGGER THAN BIG BOX
東京で、馬場で育ったものだけが言えるその名言とともに俺はLiquid Rainbowに連れ去られていったのである。
ラーメンで高野メルドーさんと出会えたことがまた、俺の人生を毛羽立たせた。
そして石原正晴ロックンロール番長。RE-201をぶっ叩いた音に俺は心が震えた。
と感謝していたらいつの間にか目黒までたどり着いていた。
うどん番長ジョン・マツバラを引き連れて来てみれば、北のヨーヨーの達人が俺たちを迎え入れてくれた。彼はすでにこの日2杯の二郎を食っていたのである。
アホとしか言いようがない。
アホがアホとデブを連れて目黒まで俺を先導してくれたのである。
俺は心にファズをかけて大ダブルの食券をポチッとな。
こ、これは!?!?!?
な、なんかスープ多くねえか…ズズっとやればああこれは完全にアレだ。アブラ少なめです。
とか言いながらヤサイをアブラで…コラコラも少ねえな。そういうタイミングに当たった…これが目黒ですよ、とか隣に座ったヨーヨーの達人に話をしていたが、救いは完全にこの麺だった。
麺マジでうめえ…ロシアンマフをかけたような完璧な香りが鼻腔を満たしていった。
ブタさんは薄めのがたっぷりで大満足。食いごたえは最高。
あっさり汁完飲不可避と思ったがグッとこらえてサクッと完食フィニッシュムーブ当然ながら軽くウィンクして退店。
北海道からはるばる来たヨーヨーの達人と山手線逆方向でお別れして俺は内股の男を井の頭線で盗撮しつつ当人に送ったりしながら遊んで帰宅。
非常によい睡眠がとれた。
ライブ後の耳鳴りって…最高よね。