ヨガのポーズでタクシーを止めたのは高円寺のターバンの男だったと思うが、日本をインドよりもサンディエゴ、ポートランドあたりにして仕舞えと歌いたくなる男はここにきて完全にクラフトビールの呪縛から解き放たれ、重力と理性による奴隷な己を亡き者にして仕舞うことに決めた。
自我を襲っていくのは瞑想前の暗闇。すでに自我が自己から離れている感覚がある。
目を瞑り始めてからしばらくして広がって行くのが、毛細血管の描き出すイリュージョン。
何かが弾けた光を見た瞬間から悟りだす快感には、震えるしかない。
バカ言え何がダイエットだ
俺は悟った
そう吐き捨てた先は我が第4の故郷であるシブヤであった。
俺は調査せずにいられなかった。がんこ常連の兄さんもたまに足を運ばれている麺屋。クラフトビアラバーであれば絶対に通る箕面・志賀高原のボトルで埋まったディスプレイ式の冷蔵庫。
もはやラーメンよりビールと思っていたのは内緒だ。
目当ては当然数日前から何度も眼前に写った"Engi"というパワーワード。
一口飲めばまさしく泣ける味わいだ。やたらめったらヘイジーというわけではなかった、全体的に去年のものより抑えられていてさらにドライな感じがあったのはむしろ好都合か。スノモンの方が圧倒的にヘイジーな分、違いが出ていい。
柔らかさの極まった穂先メンマが口の中を踊る。竹やぶと牧場の相入れなさみたいなものは、酒飲みが仲介に入ることによって戦争の終結を迎える。
そしてお目当てのブツが
こ、これは!?!?!?
め、麺多いっていうか海苔www
海苔凄すぎでしょwwwそして麺量www
とか高笑いしていたが、ある程度底上げされていただけなのでなんの問題もなし。
うーむ、こういうつけ汁、久々に見たなぁ。俺こういうのも実は好きだったりするんだよなぁ。
海苔をどかして天カスと悪魔肉(みたいなもっと甘いブツ)が乗っかった麺をつけ汁ディップしてズルっとやり、飲み込んだ瞬間に残っていたビールをグビッとやれば、眩い光の中でみゆき中島が歌っている。
縦の糸はあなた(ラーメン)
横の糸は私(ビール)
織りなす布はいつか私の
胃袋を包み込むかもしれない
とか言いながら食ってたらサービスの生玉子を忘れそうになっていた。
俺は当然つけ汁→生玉子の順でディップして食うことを思いつくデブであるから幸福度も高かった。
麺はどーなんだろと心配してたが全然美味かったのが本当に嬉しい。つけダレも完璧なバランスでザッツごま油ざるラーメン堪能した!
サクッと完食フィニッシュムーブ謎のブルワーTを着たオペの男性に軽く会釈して退店!!
『ラーメンに「ありがとう」と声がけを続けるとカロリーが消える』という画像が流行っていたが
食後のお腹にありがとうありがとうと言うだけでは効果ありませんかね。
ないですかね。
ただのオナニーですかねこれは。