見たいのに、見れるのに、手を伸ばせば簡単に見えるものなのに我らの手を阻むものは我々の意識作用であり、脳神経の働きであり、天使と悪魔のせめぎ合いであるからにして、「如何ともしがたい」と断言してしまうのは容易なことである。
なにも、見えないものを見ようとして望遠鏡を覗き込む必要など無いのである。俺だって何千マイルも歩いたら手のひらから大事なものがこぼれ落ちるだろう。
箱は神より贈られた。
パンドラはその箱を好奇心から開けてしまい、厄災をこの世にもたらし、箱の底に溜まった希望を閉ざした。
箱は魚屋さんからやってきた。
俺はその箱を好奇心から、ヨダレを垂らしながら開けてしまい、己の欲を飼い太らせ、厄災(蟹)が逃げぬようにそっと閉じた。
水たまりは希望を写している。
ハローもグッバイもサンキューも言わなくなって
こんなにも嬉しくなってスペシャルサンクスを伝える。
ジンジャーエールよりも麦茶か濃い酒が欲しくなるのは何故だろうか。悪魔払いに悪魔をぶつけるしか無いのか。嗚呼、パンドラの箱、開けなければこんな気持ちになることもなかったろうに。
そんな想いで久々にチャリを漕いで8時半前には到着したが、選ばれし12人に与えられる椅子は我が尻を支えることはなく、私は自分で用意した椅子を取り出しては座り、目の前にいた女性から羨望の眼差しで見られていることを自覚してしまった。
入店してみれば「今日は一人か!」と声をかけられた。週末限定コ◯キのグラサン髭に会いたがっているのが伝わった。
俺はサイパンコールもせず100麺だけ大盛りと伝えたが、単独ロットだったためにガチのサイパンで出てきたことは言うまでもない。
丼にぶち込まれた麺がゴリっと、透明感を持たずに夜空の月となったこともまた説明不要。てかサイパンの語源ってなんだよ…そんなことを考えながら、やはり手渡しで丼をいただくとそんなこともどうでもよくなるのである。
こ、これは、、、ヒャッハー!!
蟹の匂いが脳髄にビンビンくるぜ!!
いっやー、ドギツ。ドギツ。ドギツ。ドギツっと4拍子を刻んでしまいたくなる。
レンゲで一口やればもう、幸せ、としか言えないほどキマる。
麺をずるっとやれば甲殻類特有のエグさと甘みで頭がグラっとくる…硬めの麺はかん水くささ?のようなものを感じさせてくれるくらいが美味しい気がしている。
ネギをつまんで麺をすすればもう、これが理想の食い合わせだよなと一人で合点するしかない。全ての道理を納めて得る。俺は晴れやかな気持ちになったよ。
当然KKブチカマし軽く会釈して退店!!
チャリに乗って西新宿ハナマサなどをうろついていたら髭ダルマから「体調悪い」とか電話くるもんだから、少し心配したふりをして俺は一人で飲みに行った。
暑さに任せて一人で街に出ていたから。
それから先は ヘヘイヘイ