沖縄の文化、とりわけパーティーピープルの文化は罪深い。
彼らは朝方まで酒を飲む。それがまず当たり前である。
故にスタートの時間も遅めである。初日である2/23(金)も21時集合となった。
まあ当然「誰も時間通りに来ない」のだが。
そう言う私もすばじらぁを脱出して21時にホテルにチェックインをし、荷物を降ろして約束の地・安里りうぼうに到着したのは21時15分であった。ウチナータイムはサイコーさね。
そこからおでん東大にできたクソ行列を尻目に、一応女将さんに軽く会釈だけして栄町の小料理屋・末広さんでエゾシカの生ハムやトーストなどをサワー、モヒートなどで流し込んだ。しっぽりとやっていた。
初日からこんな空気感で飲めるなんて、今回の旅は平和だなぁと思っていた。
嵐が起こったのはここからだった。
20歳の頃からいっしょにバンドをやっていたギタリストT中、そして沖縄のイベンターをやっているT中というダブルT中が口を揃えて言い始めた。
「俺らの飲み会にはThe Smithsが必要だ」
何を言っているのかさっぱりわからなかった。
理解はできなくとも俺は「そりゃあそうだよな。聴ける店ねえのか」と、The Smiths基準で話が進み始めた。
正直な話、冬の沖縄というのはイングランドの空気に近いものがある。私は、大いに賛成だった。
…行ったこと無いけどね。
2軒目に選んだのは330号線沿いにある「R」という小料理屋だ。そこでは心地よいレゲエが流れており、俺たちはそれを楽しみながらサワーなどを飲んでいた。飲んでいたところに女将から「T中さん、好きな音楽をかけていいですよ」ときたのだ。
我々は馬鹿になった。
聴き慣れたベスト盤をスピンし、流れてくる曲ほぼ全てを口ずさみながら、思い出話など一切せずに"The boy has thron in his side〜"とか、虚ろな目つきで歌う我々。まさしく自分のことだと言わんばかりに歌いまくり。先に店内にいらっしゃったマダム2名にごめんなさいしながらもなんか場も白けてきたのでレゲエに戻し、私たちはまた酒を楽しんだ。
その後、狂った我々は「まだスミス聴きてえな」とかいいながらmoonflowersというバーに突入した。半分のメンツはもうスミスはいいや、という顔つきで隣のファンファーレさんに入っていったのだが
そのmoonflowerさんで奇跡が起こった。
マスターである女性がなんと、The SmithsのTシャツを着ていたのだ。
我々が入店するなりやんややんやと騒いだせいでマスターが何も言わずにスミスのシングルスをスピンし、我々にドヤ顔を送った。
もはやちまちまビールなど飲むわけがなく3人でスパークリングワインのボトルを注文し、アルバム一枚を聴き終える頃にちょうど飲み終えた。退店する瞬間にこれまたプライマルスクリームの"Come together"が流れ、我々はそこにある消えない光を反芻していた。
そして我々は
そこにある消えない光(24時間営業)に吸い込まれていったのだ。
こ、こ、これは、、、
モリッシーの歌声に酔いしれていた連中とは思えないほどの肉欲(食欲)を持て余していた我々は当然ながらどん亭スペシャル一択!
アー、、、これが、これこそが沖縄のパリピ文化の極北!カレーにトンカツ、牛丼という朝4時には食ってはならないギルティー飯…なんと700円という破格ぶりである。
当然ながら「美味い」とか「まずい」とかそういう次元ではなく、
「食わねばならない」ものである。
壮絶すぎる見た目であった。しかしながら悲しいことに1人はただの牛丼を食っていた。あなた牛丼マリポーサですか?と聞いてみたが反応はなかった。多分違う人だと思う。
うーん。重いなぁとか思いながらもサクッと完食フィニッシュムーブ軽く会釈して退店!
ホテルに戻って横になった私の脳内ではMCウクダダ&MC iknowのどんスペ讃歌"D.T.$.P"がひたすら流れていた。
朝起きて猛烈な胃もたれと、いつまでも感じられない空腹感に想いを寄せた。
どん亭スペシャルナメたらダメ!